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64話:ルリさんと一緒にダンジョンに向かって行く

 その後も僕達は雪人君と一緒に楽しく話を続けていっていた。そしてそれから一時間程が経過した頃……。


「よし、それじゃあもうすぐ配信をする時間になるから私達はそろそろ帰るよ。それで今日はユウ君とコラボ配信するから雪人も楽しみにしててね。という事で今日はよろしくね、ユウ君!」

「あ、はい、もちろんです!」


 ルリさんはニコっと笑いながらそう言ってきた。実は今日はルリさんの配信にお邪魔する事になっていた。いわゆるコラボ配信というやつだ。


(ルリさんやリスナーさんに迷惑かけないようにしなきゃだ!)


 初めてルリさんの配信にお邪魔するという事で僕はとても緊張してたんだけど、まぁでもいつも通りの感じでルリさんのコーチングが出来ればなと思っていた。とりあえず緊張しすぎて噛まないようにだけはしなきゃだ!


「あ、もう帰っちゃうの……お姉ちゃん……」

「ん? って、あ……」


 そんな事を思いながら自分を鼓舞していってると、ふいに小さな呟き声が聞こえてきた。僕はその声が聞こえた方に顔を向けて見ると、雪人君がしょんぼりとした顔をしていた。


(あぁ……まぁでもそうだよね。病室に一人ぼっちでいるのは寂しいよね……)

(うん、そうだよね。よし、それじゃあ……)

(え? 浅香?)


 すると浅香もしょんぼりとしている雪人君に気が付いたようで、浅香はふふっと笑みを浮かべながら雪人君にこう言っていった。


「ふふ、それじゃあお兄ちゃんとルリさんがダンジョンに行ってる間はさ、私と一緒に病室で武器の研磨の練習をしてよっか?」

「えっ!? 浅香お姉ちゃんと一緒に研磨の練習を!?」

「うん、そうそう! 私もこう見えて冒険者を始めて結構年月が経ってるんだよねー。だから実は武器の研磨は私も得意なんだよ。という事で武器の研磨なら私も雪人君に色々と教えられると思うしさ、良かったら一緒に練習していこうよ!」

「えっ? 本当に!? うん! それじゃあ浅香お姉ちゃんと一緒に研磨の練習したい! 僕に色々と教えて欲しいな!」

「うん、了解だよ! よし、それじゃあ一緒に研磨の練習頑張っていこう! それでお兄ちゃん達が配信を始めたら一緒に見ていこうよ!」

「うん! 見よう見よう!」


 浅香は笑いながら雪人君にそう提案をしていってくれた。どうやら浅香は僕達がダンジョンに行ってる間、ここに残って雪人君と一緒に居てくれるようだ。


「浅香、良いの?」

「うん、もちろん良いよ。だって今日のお兄ちゃんはルリさんの配信に参加するだけなんでしょ? お兄ちゃんが撮影とかする訳じゃないなら今日は助手役の私は要らないでしょ。という事で私は雪人君と一緒にここに残って二人の配信を楽しく見てるよ」

「浅香ちゃん……うん、ありがとう。それじゃあ私達がダンジョン配信をしてる間は雪人の事お願いしても良いかな? あ、雪人が生意気だったら沢山叱ってくれていいからね!」

「あはは、大丈夫ですよ。雪人君は大人しくて良い子ですし。という事でお二人はダンジョン配信頑張ってくださいね。病室から二人の配信見て応援しています」

「うん、本当にありがとう。ふふ、それにしてもユウ君といい浅香ちゃんといい……君達はすっごく優しくて素敵な兄妹だね!」

「あはは、ありがとうございます。素敵な兄妹って言って貰えると嬉しいです。それじゃあお兄ちゃんも配信頑張ってね。応援してるよー!」

「うん、ありがとう浅香! それじゃあ行ってきます!」


 という事で僕とルリさんは浅香に感謝の言葉を伝えていってから、早速今日の目的地であるダンジョンに向かって行った。


◇◇◇◇


 それから一時間くらいが過ぎた頃。


「よし、目的地のダンジョンにやって来たね!」

「はい、そうですね! 何だかこのダンジョンは久々ですよね」

「うん、確かにそうだね。それにこのダンジョンに来るとユウ君と出会った日の事を思い出しちゃうよ。ふふ、何だか懐かしいなぁ」

「はは、確かにそうですね。僕もその事を思い出しますよ」


 僕達はダンジョンの入口前でそんな会話を繰り広げていった。ここはルリさんと初めて出会った東京郊外にある初心者向けのダンジョンだ。


 そして以前から言ってるようにこのダンジョンは滅多に人が来ないんだ。だからコラボ配信で大騒ぎしてしまっても誰にも迷惑をかける事はないという理由で、今日はこのダンジョンでコラボ配信をする事になっていた。


「よし、それじゃあ早速配信の準備をしていくからちょっとだけ待っててねー!」

「はい、了解です!」


 ルリさんはそれからすぐに手際良く自動撮影ドローンを飛ばしていき、マイクやその他の機材をどんどんと展開して配信のセッティングをテキパキと始めていった。


「……よし! これで準備完了! それじゃあユウ君の方も準備は良いかな?」

「はい、いつでも大丈夫です!」

「おっけー! それじゃあ配信をスタートしていくよー! 3、2、1……」


 そう言っていよいよルリさんとの初めてのコラボ配信がスタートしていった。


 僕はなるべく緊張がリスナーさんに伝わらないように元気にハキハキと喋れるように頑張っていく事にした。

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