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30話:何か僕のチャンネルの登録者が爆増してるんだけど!?

 月曜日の夕方。


「いやー、初めての東京観光はすっごく楽しかったなー」


 学校から帰宅した僕は自分のベッドに寝転びながら土日の東京旅行を楽しく思い出していっていた。


 それに東京ダンジョンに行けたのも最高だったよね。最推し配信者のルリさんとお知り合いになる事が出来たし、さらにコーチングのお願いまで引き受ける事になって、本当に楽しい時間だったよ。


 ルリさんと別れたあとも家族で集まって観光しつつ美味しい晩御飯を食べたりとかして凄く充実した東京旅行だった。スカイタワーは大きかったし、もんじゃ焼きは美味しかった。


 今回はたったの二日間しか滞在出来なかったけどそれでも東京の事は凄く大好きな街になった。


 今後はルリさんのコーチングのために東京にまた行く事になると思うし、また東京に行ける日がやってくるのを楽しみにしていこう。


「……って、あ、そうだ。そういえば昨日のルリさんの配信はどんな感じだったんだろう?」


 その時、僕はルリさんを思い出してそんな事を呟いていった。


 僕はルリさんのコーチングをする事になったので出来るだけ早めにルリさんに自己紹介をしなきゃと思って、僕は少し前に自分のチャンネルに投稿した自己紹介動画のURL先を教えたんだ。


 するとルリさんは僕の自己紹介動画を見てくれたようで、すぐにルリさんは僕に向かってこんな連絡をしてきてくれた。


『自己紹介の動画送ってくれてありがとう! わかりやすい自己紹介だったよ! それにユウ君のチャンネルの動画は私達冒険者にとって物凄く勉強になる素晴らしい動画ばかりで凄いね! これはもっと沢山の人に見られるべきチャンネルだよー!』

『え、そ、そうですかね? でも僕のチャンネルは散々と駄目だっていうコメントを頂いたんですけど……』

『いやいや! 私もコメント欄はチラっと見たけど、これは確実に悪質な荒らしだからユウ君は全然気にしなくて良いよ! そんな見知らぬ荒らしの言葉なんか無視無視ー! ユウ君の動画はどれもすっごく素晴らしい動画だから自信持ちなよ!」

『そ、そうですかね? ま、まぁ、ルリさんがそう言ってくれるなら凄く嬉しいです!』

『ふふ、それなら良かった! という事でさ、ユウ君の動画は絶対に沢山の人に見て貰った方が良いと思うからさ……もし良かったらユウ君のチャンネルを私の配信で紹介させて貰えないかな?』

『え……って、えぇっ!? ル、ルリさんの配信で僕のチャンネルを取り上げて貰えるんですか?』

『うん、ユウ君さえ良ければ是非! 私の視聴者って冒険者始めたばっかりの人とかも多いからさ、だからユウ君の解説動画が見たいって人も多いと思うんだ! だからそんな人達にユウ君のチャンネルを紹介してあげたいんだけど、どうかなユウ君? 配信で紹介させて貰っても良いかな?』

『え、えっと、そうですね……まぁルリさんのリスナーさん達の役に立てるのであれば僕としても嬉しいですし……はい、わかりました! それじゃあ僕のチャンネルを是非ともルリさんの配信で取り上げてください!』

『うん、わかった! ありがとう! それじゃあ早速日曜の配信でユウ君のチャンネルを紹介しておくね!』

『はい、わかりました!』


 ……という感じのやり取りを土曜日の夜にルリさんと行っていたんだ。


 僕は動画投稿とかは引退した身だけど、それでも今まで沢山投稿してきた動画が誰かの役に立つんだったら僕としては凄く嬉しい限りだ。


 だから僕はルリさんの配信中に僕のチャンネルを紹介したいというお願いに対して、二つ返事でオッケーを出していったんだ。


 そしてそんなルリさんの配信は昨日行われていたんだけど、でも昨日は家族旅行中だったので僕はその配信をまだ視聴出来ていなかった。


「うーん、ルリさんが僕の事をどう紹介してくれたのか気になるし……よし、それじゃあルリさんの配信のアーカイブでも見てみる事にしようかな!」


 という事でそう決めた僕はそのまま机に座ってパソコンを起動していった。そして配信サイトに飛んでいった。しかしその時……。


「……あれ?」


 パソコンを起動して配信サイトに飛んでいくと、僕はすぐにとある違和感に気が付いた。配信サイトの上部に“通知マーク”が現れていたんだ。


 これは前にも言ったようにチャンネル登録者が増えた時とかコメントが書き込まれた時に通知されるマークだ。形状はベルのマークになっている。


 それで少し前に炎上した時は毎日のように通知マークが飛んできてたんだけど、もうそれからしばらく時間が経ったので通知マークは毎日0件に戻っていっていた。


 だから僕は久々に通知マークがまた来ている事に少しだけ驚いていった。


「あれ、通知マークが来てるなんて珍しいな。……って、えっ!? な、なんでこんなにも大量の通知マークが来てるの!?」


 そして僕は画面上に映し出されている通知マークの総数を見て、さらに大きく驚愕としていった。


 何故なら通知マークの総数は『+99』で保持されていたからだ。という事はまたカンスト状態となっているわけだ。


「な、なんで!? 土曜日に見た時には通知マークは0件だったはずなのに……あ、も、もしかして……僕のチャンネルがまた炎上しちゃってるとかかな……?」


 僕はつい数週間前に起きた炎上の件を思い出していった。ルリさんはあれはただの悪質な荒らしだと言ってくれたけど、それでもやっぱり怖いものは怖い……。


 と、というかどうしよう……また今回も大量の酷いコメントが書き込まれていたりしたら流石にショックで寝込む自信しかないよ……。


「う、うーん……ま、まぁ、とりあえず通知内容を確認してみなきゃだな。って、え?」


 僕は勇気を出してその通知マークをクリックして内容を確認していった。すると……。


数秒前:新たにチャンネル登録がされました。

数秒前:新たにチャンネル登録がされました。

数秒前:新たにチャンネル登録がされました。

数秒前:新たにチャンネル登録がされました。

1分前:新たにチャンネル登録がされました。

1分前:新たにチャンネル登録がされました。

1分前:新たにチャンネル登録がされました。

2分前:新たにチャンネル登録がされました。

2分前:新たにチャンネル登録がされました。

……

……

……


「……え?」


 その通知内容は大量の荒しコメントだと思って身構えていたんだけど……それはまさかのチャンネルを登録してくれた人がいた事を知らせるものだった。


 しかもそれはあまりにも大量のチャンネル登録を知らせる内容だった。こんなにもチャンネル登録をされた事なんて今まで一度たりともないんだけど?


「え? な、なんでこんなに大量の登録が? と、というか、ちょっと待ってよ? そしたら僕のチャンネル登録者数って今どれくらいになってるんだろう……?」


 僕のチャンネルの登録者数は100人くらいだったはずだ。それが今はどれくらいになっているんだろう……?


「え、えぇっと、それじゃあ早速マイページを開いてみよう……って、えぇっ!? な、なななな……なっ!?」


 僕は驚愕のあまり大きな声を出してしまった。何故ならそこに表示されている登録者数が物凄い事になっていたからだ。そのチャンネル登録者数とは……。


「え、えぇっ!? ぼ、僕のチャンネル登録者数……10万人を突破してるんだけど!? な、何で!? 何でこんなにも沢山の人が!?」


 という事で何故か僕のチャンネルの登録者数が約1000倍に引き上がっていたんだ。こ、こんなのビックリとするに決まってるじゃん!!


 そんなわけで僕は自分のチャンネル登録者数を見てビックリとしてしまい大きくのけぞってしまった。でもビックリとする話はこれで終わりじゃなかった。


―― ピコン♪ ピコン♪ ピコン♪ ピコン♪


「え? え? えっ!?」


 僕がビックリとしている間にも新しくチャンネル登録がされた事を知らせる通知音と通知マークがひっきりなしに届いてきていた。この勢いだとここからチャンネル登録者はさらにもっと増えていきそうだ。


 だけどこんなにもチャンネル登録者が増えまくっている理由が今の僕には全然わからなくて……僕はパソコンの前で思いっきり混乱状態になってしまった。

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