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24話:冒険者ギルドで現在のランクを測定して貰う

 それからしばらくして。


「ふぅ、ようやく到着したねー!」

「はい、そうですね!」


 僕とルリさんは都内某所にある冒険者ギルドの前に到着した所だった。


 そのギルドは僕が住んでる田舎の冒険者ギルドの数倍もの大きさだった。やっぱり僕の地元と比べると規模が物凄く違うってのがよくわかるよ。


「よし、それじゃあまずは受付に行ってアストルフォの低階層でワイバーンが出現した事を報告をしなきゃだね。その後にユウ君のランク確認もしていこう!」

「はい、そうですね。わかりました!」


 という事で僕達はギルドの受付に並んでいき、そのまま受付のお姉さんに先程ダンジョン内で起きた事の報告をしていった。


「ダンジョン探索の報告ありがとうございました。それとアストルフォの探索お疲れ様でした。でもアストルフォの低階層でワイバーンが出現するなんて、これは少し異常事態な気がしますね……」

「やっぱりそうですよね。もしかして他のダンジョンでも何かしらの異常事態が起きてたりするんですか?」

「いえ、今の所はまだそのような報告は挙がっていません。ですのでこれから詳しい調査を我々ギルドの方で行っていきます。あ、もしもアストルフォ内で配信や撮影などをしていたようでしたらその動画の提供もお願いできませんか?」

「はい、わかりました。それじゃあ私はさっきまで配信をしてたんでそのデータを丸々お渡ししますね」

「あ、僕もダンジョン内の動画は撮ってたんで、そのデータを提供させて頂きます」

「はい、データ提供をして頂けて非常に助かります。それでは何か分かり次第また連絡させて頂きますね」

「はい、わかりました。よろしくお願いします!」


 受付のお姉さんはそう言いながら僕達に向けて丁寧にお辞儀をしてきてくれた。まぁこれでこの後は冒険者ギルドの方でしっかりと調査をしてくれるだろう。


「おっと、そうだ。それとすいません。もう一つ用事があるんですけど、彼の冒険者ランクを調べて貰えませんか?」

「冒険者ランクの確認ですか? はい、かしこまりました。それでは冒険者ギルドの管理ベースで照合を行いますので、お客様の冒険者カードを拝借させて頂いてもよろしいでしょうか?」

「はい、わかりました。それじゃあ、えぇっと……はい、これです。よろしくお願いします」

「はい、冒険者カードのご提示ありがとうございます。それでは今までの冒険者としての記録を照合した後に現在のランクを確定させていきますので少々お待ちください」

「はい、よろしくお願いします!」


 そう言って受付のお姉さんは僕の冒険者カードの情報を調べ始めていった。この冒険者カードというのは様々な特殊魔法が施されて作成されている便利なライセンスカードなんだ。


 例えばモンスターを倒した時に入手出来る魔石はこの冒険者カードの中に自動的に蓄えられていくし、倒したモンスターの種類や数、達成したダンジョン、獲得した称号などもこのカードの中に自動的に記録されていくようになっているんだ。


 さらに自分自身の写真や生年月日や現住所なども記録されているので、他の人に悪用される事もなく、自分の身分証明書として使う事も出来る。自動車免許とかパスポートを持ってない人はこれを身分証明書として使う人も多いらしい。


 という事でそんな冒険者カードを受付のお姉さんに調べて貰っている間、僕はルリさんと一緒にノンビリと雑談を交わしていった。


「そういえばユウ君は東京ダンジョンに来るのは初めてだったんだっけ? どうだったかな? 初めての東京ダンジョンは楽しかったかな?」

「はい、アストルフォが初めての東京ダンジョンだったので凄く楽しかったですよ! だから地元に帰ったら友達に東京ダンジョンに行った事を自慢する予定です! あ、ちなみにルリさんと会ったというのは秘密にしといた方が良いですよね?」

「いやいや、そんなの全然秘密になんてしなくて大丈夫だよー! もう皆に教えていって良いからね! それとせっかくだからチャンネル登録してくれたら嬉しいって伝えといてね!」

「はは、わかりました! それじゃあ地元に帰ったら友達にルリさんと会えた事も自慢しますね! 凄く優しくて素敵なお姉さんだったって皆に言っておきます!」

「お、おおぅ……そ、そんな事を面と向かって言われるとちょっと照れちゃうなー。あはは。あ、ちなみに初めての東京自体はどうだったかな? やっぱり地元とは全然違う感じかな?」

「はい、もう全然違いますよ! さっきスカイツリーとかも観光したんですけど、こんなデカい建物があるなんて驚きましたよ! それに人も多くてもうお祭りでもあるんじゃないかって思ったくらいです! もうこんな凄い経験が沢山出来て東京に来れて本当に良かったです!」

「あはは、そっかそっかー! 確かに都内は何処にいっても人が多過ぎるよねー。ふふ、でもユウ君が凄く楽しそうで本当に良かっ――」

「って、ええええぇぇええええええっ!?」

「え?」

「え?」


 そんな他愛ない話をしていると、急に受付のお姉さんがビックリしたような声を上げてきた。


 その声を聞いた僕とルリさんも一緒にビックリとした表情をしながら受付のお姉さんにこう尋ねていった。


「え、えっと、どうかしたんですか? あ、もしかして彼のランクの判定が終わった感じですか?」

「え……って、えっ? あ、は、はい、そうなんですけど……で、でもこれは……」

「え、えっと、何か変な事でもありましたか? あ、もしかして冒険者カードが破損でもしてましたか? もし壊しちゃってたようなら本当に申し訳ないです……」

「い、いえ、カードが破損とかそんな事はありません。ちゃんとカードの記録も全て出てきました。な、なのでその、まずはお名前を確認させて頂きたいのですが……貴方様のお名前は沢城悠さんで宜しかったでしょうか? それと年齢は16歳で合っていますでしょうか?」

「はい、そうです。沢城悠です。年齢も16歳で合っています」

「は、はい、お名前と年齢、顔写真の確認が全て取れました。ご協力ありがとうございます。そ、それでは沢城さんのランクが確定致しましたのでお伝えさせて頂きます。そ、それではその……沢城さんの冒険者ランクなのですが……お、おめでとうございます! 沢城さんにはS級冒険者のランクが認定されました!」

「はい、ありがとうございます。へぇ、S級ぼうけ――」

「え……って、えぇええぇええっ!? S級冒険者なのユウ君!?」


 という事で僕の冒険者ランクが確定していったんだけど、でも何故かその時ルリさんは思いっきりビックリとした表情をしながら大きな声を出してきた。そしてそれからすぐに……。


―― ざわざわ……!


『えっ!? 今S級って言ったか!?』

『マジで!? S級冒険者なんて本当に存在するのかよ!?』

『どこどこ!? 私も見てみたい!!』


 そして受付のお姉さんとルリさんの大きな声がギルド内にも聞こえてたようで周りが一気にざわざわとしだした。うーん、そんなにS級ランクが凄いって事なのかな?


「え、えぇっと……あっ、ランクを確認して頂きありがとうございました。そ、それでその……S級冒険者って実力的にはどれくらいになるんですかね? まぁやっぱりS級って言われてるから平均より上な感じなんですかね?」

「……へ?」

「は、はぁ?」


 僕は何の気なしにそんな事を尋ねていくと、ルリさんと受付のお姉さんは口をあんぐりとさせながら僕の事を凝視してきた。


(あ、あれ……僕何か変な事を言っちゃったのかな……?)


 僕はそんな事を思っていったんだけど、でもルリさんはすぐにハッと我に返っていき、そのまま僕の肩を思いっきり掴んでこう言ってきた。


―― ガシッ!!


「な、何言ってるのよユウ君!? S級冒険者なんて言ったら……世界最高峰の冒険者ランクって事だよ! S級冒険者は平均よりも上なんてもんじゃないよ! S級冒険者は超上位帯の証なんだよ!!」

「え……って、え?」


 ルリさんは僕の肩をガシっと掴みながら大きな声でそんな事を伝えてきた。そして周りにいた冒険者や職員の人達もルリさんの言葉を聞いて何度も頷いてきた。

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