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18話:初めての東京!

 土曜日の朝。


 僕と浅香は早朝に新幹線に乗り込んで東京へと移動していった。そして丁度今、僕達は東京駅に到着した所だった。


「「お、おぉ……!」」


 そして僕と浅香は東京駅にたどり着いた瞬間に感嘆の声を漏らしていった。だって生まれて初めての東京だし、そりゃあ感動するに決まってるよ。


「す、すごいね! ここが大都会の東京なんだね! 都会の匂いがするね!!」

「う、うん、そうだね! それに人も多いし活気が凄いなぁ……僕達が住んでる田舎と同じ日本だなんて想像もつかないよ!」

「うんうん! 本当にそうだよね! まだお昼前なのにこんなにも人が多いなんてビックリだよね! というか日本ってこんなにも人が多い国だったんだね!」

「本当にそれ! こんなにも人って多かったんだね! いやーでもこんなに多いと人酔いとかもしちゃいそうだなぁ……。って、あまりキョロキョロとしてると周りの人達から田舎者だって思われちゃわないかな……?」

「あはは、そんなの別に良いでしょー! だって私達は田舎者には変わりないわけだしさ! だから堂々とキョロキョロとしていこうよ! それに東京なんて滅多にこれないんだしさ!」

「う、うん、確かにそうだね。よし、それじゃあせっかくだし、事前に調べといた観光スポットをちょっと観光してから目的地のホテルに向かわない?」

「あ、それ良いねー! よし、それじゃあスカイツリーに行ってみようよ! お兄ちゃん!」

「うん、そうだね! わかったよ、浅香!」


 という事で僕と浅香はせっかくなので事前に調べておいたスカイツリーの観光をしていった。


 そしてその近くにあったカフェで軽くお昼ご飯を済ませていってから、僕達は予約していたホテルへと向かって行った。


「ふぅ、何とかホテルに到着出来たね。ホテルのチェックインは夕方からだけど、荷物は受付で預かっておいてくれるってさ。だからここからはお互いに自由時間って事で良いかな?」

「うん、オッケーだよ! それじゃあここからお母さん達と合流する夜までは自由時間だね! 私は前から言ってた通りデパートとか服屋とかに行ってくるよー!」

「うん、わかった。それじゃあ僕も予定通り東京のダンジョンに行ってくるね」

「うん、了解ー。って、あ、そういえば今日って東京のどこら辺のダンジョンに行くの? やっぱり若者に大人気な池袋とか新宿にあるダンジョンにでも行くのかな?」

「あー、いや、そういう人気のダンジョンには行かないよ。今日行くのは東京の郊外にあるアストルフォってダンジョンに行ってくるつもりだよ」

「え? アストルフォ? うーん、全然聞いた事ないダンジョンだなぁ……でもどうして有名なダンジョンに行かないの? せっかくの東京なんだから有名なダンジョンに行った方が良いんじゃない?」

「いやー……やっぱり有名なダンジョンって人もすっごく多いでしょ? この東京に来た感じだと多分なんだけど、そういう有名なダンジョンに行ったら人酔いしちゃいそうで怖いんだよね。だから人の少ないアストルフォに行くつもりなんだ」

「あー、なるほどね。あはは、お兄ちゃんって結構な恥ずかしがり屋さんだもんね。うん、わかったよ。それじゃあ今日の東京ダンジョン楽しんできてね! お土産話も期待してるよ!」

「うん、ありがとう、浅香。色々と楽しい話が出来るようにダンジョン探索頑張って来るよ!」

「あはは、お兄ちゃんの頑張りに期待してるからね! よし、それじゃあ私も出かけて来るね! 行ってきますー!」

「うん、行ってらっしゃい、浅香」


 そう言って浅香は楽しそうな顔をしながら一足先にホテルから出て行った。よし、それじゃあ僕も東京のダンジョンに行く準備をしていくとしよう。


◇◇◇◇


 それから二時間程が経過した頃。


「おー、ここが東京ダンジョンの“アストルフォ”かぁ……!」


 僕は東京の郊外にあるダンジョンの“アストルフォ”にやってきた。ちなみにアストルフォは東京ダンジョンの中で一番人気がないダンジョンだ。


 もちろんアストルフォの人気がないのには理由がある。このアストルフォは東京の郊外にあるため交通の便が凄く悪いんだ。


 実際に僕もホテルからここまで到着するのに二時間くらいかかってしまった。池袋ダンジョンとかなら三十分くらいで行けたのになぁ。


 さらにこのアストルフォに現れるモンスターは比較的弱いらしいので、経験値稼ぎとかレアドロップ目当てとかで来るには全然オススメ出来ないダンジョンになっている。


 という事でこれらの理由が重なってアストルフォは常に過疎っているダンジョンになっているとの事だ。


 まぁでも恥ずかしがりな僕としては人が滅多に来ないダンジョンというのはありがたいよ。緊張とかしないで済むしね。という事でさっそく僕は……。


「よし、それじゃあ準備も出来た事だし……さっそく動画を撮っていくぞ!」


 僕はそう言いながら撮影用のドローンを飛ばしていった。という事で実は僕は東京ダンジョンの様子を録画しようと思ってこの過疎ダンジョンを選んだんだ。


 だけどもちろん僕は配信者や実況者を引退している身だ。だからこの動画は全体に公開するための動画ではない。今日撮影する動画はお婆ちゃんに見せるための動画だ。


 実はお婆ちゃんは今まで僕のダンジョン配信をいつも楽しく見てくれていたんだ。僕が頑張ってダンジョン探索をしてる様子が見れて楽しいよって毎回言ってくれていたんだ。


 だからそんなお婆ちゃんにこれからも僕の冒険活動をしてる所を見て貰いたいと思って、せっかく東京に来たのでその動画を撮っておこうと思ったんだ。まぁつまりこの冒険動画もお婆ちゃんへのお土産という事だ。


『あー、てすてす……あ、どうも、皆さんこんにちはー……って、言っても引退してるから挨拶してもしょうがないんですけどね。まぁでも後でお婆ちゃ……じゃなくて、身内に見て貰うために記録用に映像を残しておこうと思います。いわゆるVlogってやつですね』


 という事で僕はいつも通りの感じでダンジョン動画を撮り始めていった。久々に動画を撮っているのでちょっぴり緊張してしまってるんだけど、でもせっかくの初東京ダンジョンだし楽しんで撮影していくぞ。


『えっと、それで今日は生まれて始めて東京ダンジョンにやって来ました。今回訪れたダンジョンは東京の郊外にある“アストルフォ”です。このダンジョンはゴブリンやスライムなどの下級モンスターが多い構造になっているそうです。またトラップなどのギミックも少ないようなので、初心者向けのダンジョンのようになっているようですねー』


 僕は事前に調べておいたアストルフォについての情報をわかりやすく簡潔に説明していった。こういう視聴者に向かって説明する技術は今までずっと動画投稿を続けてきたおかげでかなり上手くなってきたと思う。


 まぁもう動画配信と動画投稿はどちらも引退してるから関係ないんだけどね……。


『あ、もちろん初心者向けのダンジョンだと言っても、舐めてかかると大怪我をするかもしれませんので、気を引き締めて攻略に向かおうと思います。それでは早速探索スタートです!』


 という事で僕はそう言って早速アストルフォの中に入って行った。さてさて、初めての東京ダンジョン探索、凄く楽しみだな!

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