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ケイカク

「それで、君は何を企んでいるんだ?」


 ルーカス様が呆れ顔で尋ねる。


「この偽金を作っている奴らを潰しますわ」

「フリード王太子の息の掛かった連中を潰したいと言うことか」

「それも有りますが…………偽金を作っている実行犯はファンネル商会。王国に残して来た私の商会なのです」

「頭をすげ替えてフリード王太子に乗っ取られた例の商会か」

「はい、私が残して来た商会ですし、この機会に片付けておこうかと」

「なるほど、では何故俺の所に?」

「協力して欲しい事があるのです」


 私はコーヒーカップを置き、現在進行中の計画をルーカス様に説明する。


「…………本当にそんな事が可能なのか?」

「フリードは現在王宮内での信用を失い、それを挽回しようと躍起になっているそうです。間違いなく食い付きますわ」

「……………………」

「この計画が成功すればルーカス様の功績も大きな物になりますわよ」

「…………わかった。初めからそういう話だったしな」

「ええ、私を助けてくれたルーカス様には約束通り利益を差し上げますわ」

「その利益を得るためには私も危ない橋を渡る必要が有るのだろう?」

「それこそ、今更ですわ」

「確かにそうだ」


 私はルーカス様と微笑み合うと、どちらからとも無く握手を交わすのだった。



 ◇◆☆◆◇



「ふん」


 政務から外されたフリードは自室でコルトからの報告を聞き、込み上げる笑いを抑えていた。


「良くやった、コルト」

「はっ!有り難きお言葉です、フリード殿下」


 コルトが持って来た報告書には帝国内にばら撒いた偽金の金額やそれによる利益などが事細かく記載されている。


 設備投資の為に注ぎ込んだ金額には到底届いてはいないが、後半年も続ければ帝国経済に深刻なダメージを与えられるだろう。


「これで帝国を追い落とせる。

 その功績を手に父王を廃せば俺がこの国の王だ」

「はい、フリード様の能力を理解せずに押さえつけようとするとは……ブラート陛下は御年齢の事もあり少々弱腰になっておられるのでしょう。

 ならば、フリード様が新たな国王陛下として即位され、ブラート陛下にご安心頂くのが親孝行というものですね」

「はっはっはっ!その通りだ。その時はお前も財務大臣として俺に仕えろよ」

「わ、私が財務大臣ですか⁉︎」

「ああ、俺は王になったら上層部を一新するつもりだ。

 今の官僚はカビの生えたロートルばかりだからな。

 特に財務系の官僚連中は何かにつけてエリザベートの政策を持ち出して俺の邪魔ばかりしている。

 あんな女の政策など、俺の国には必要ない。

 これからの時代は俺やお前の様な若い世代が国を盛り立てて行くべきなんだ」

「流石フリード様!やはりこの国の未来を担うのはフリード様以外に考えられません!」

「はっはっは、世辞はよせ」


 そう言いながらも明らかに持ち上げられて気を良くするフリードにコルトは自身の栄達を確信する。


「とは言っても先を見る目のない父王により、俺は謹慎中の身だ。

 しばらくは表立っては動けんな」

「資金などは大丈夫でしょうか?

 今のフリード殿下は国庫のお金を動かせないのですよね?」

「それは心配するな。当てがある」

「当て?」

「俺の個人的なツテの様な物だ」

「そうでしたか」

「ああ、金の心配はない。

 今は計画を練る事に集中するべきだな」

「はい、あ!しかし、来月にはパーティも有りますので、そちらも注力しなければいけませんね」


 謹慎中のフリードだが、王太子として王国主催のパーティなどには出席する必要が有る。

 その為の用意もしなければならない。


「全く、忙しくて堪らないよ」





 今日のパーティは王国主催の記念パーティだ。


 帝国と王国が停戦し、20年の不可侵条約が締結された事を記念して毎年開かれており、帝国でも今頃は同じようなパーティに王国の貴族が国王の名代として参加している筈だ。


 ブラート王の王国と帝国の繁栄を願うと言う耳あたりの良い挨拶を聞き流したフリードは、婚約者であるシルビアと共に愛想笑いを浮かべて参加していた。


「おや、フリード王太子殿下」


 一通りの挨拶を済ませたフリードに1人の貴族が声を掛けた。

 帝国大使として皇帝の名代を務めるフリードよりも少し年上の帝国貴族だ。


 腐っても英才教育を受けた王族である。

 フリードは一瞬、顔に浮かんだ嫌悪の色をすぐに取り繕うと、笑顔を浮かべて帝国貴族に向き直った。


「久しぶりだな、子爵。

 いや、伯爵になったのだったか。

 遅くなったが祝わせて貰おう。

 陞爵おめでとう、レブリック伯爵」

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(・ω・)ノシ

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