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ハンニン

 商会でミレイ達に指示を出した後、私はミーシャを連れて商業ギルドへと向かった。


 先触れを出して置いたおかげか、はたまた特別認可商人の肩書のお陰か、待たされる事もなくすぐに応接室へ通された。


 応接室のドアを潜ると、魔族の男が私を待っていた。

 帝都の商業ギルド、ギルドマスターのカルバン。

 グランドマスターであるグイード伯爵の右腕と呼ばれる男だ。


「突然のご訪問でお時間を頂き感謝致しますわ、ギルドマスター」

「ふふ、君が緊急の案件などと言うからな。

 無理にでも時間を作るさ。

 本来ならグイード伯が対応しても良いのだが、現在は領地へ行っていてね。

 私で我慢して欲しい」

「勿論、十分ですわ」


 私はカルバンが手で椅子を示したのを確認して彼の正面に座り、ミーシャは背後に控えた。


「それでは早速本題と行こう」

「そうですわね。ミーシャ」

「はい、エリー様」


 ミーシャが肩に掛けていた鞄から取り出した小袋を受け取り、中から偽金貨を取り出してカルバンの前に置いた。


「金貨?」


 カルバンは金貨を摘み上げてマジマジと確認する。


「特におかしな所は…………いや、だが何かが…………⁉︎」


 カルバンが驚きに目を見開く。

 おそらく無詠唱で鑑定魔法を使ったのだろう。


「偽金か」

「はい、こちらをご覧下さい」


 私は袋から両断した金貨を取り出した。


「…………成る程、これは廃鉄だな」

「廃鉄ですか」


 廃鉄とは錬金術で魔力合金を作成する時に触媒となる鉄が変質した廃棄物だ。

 その性質は硬いが脆く、そして重い。

 基本的に使い道のないゴミだ。


「廃鉄は錬金術師ギルドが回収して処分する筈だ。一般のルートに流れる事は少ない」


 そう言ってカルバンは顎に手を当てて考える。

 そして…………。


「………何処の国か分かるかい?」


 私と同じ答えへと辿り着いたカルバンが尋ねる。


「まだ分かりませんわ」

「そうか、先日のキングポイズンスライムの件も有る。

 二つの事件に繋がりがあるのかも知れん」

「そうですわね。私も個人的に調べてみますわ」

「ああ、私もギルドの調査員を動かそう。

 もし何か分かったら教えて欲しい。

 有益な情報なら高く買おう」

「はい、何かわかりましたら」




 商業ギルドを後にし、屋敷に戻った私にミレイが駆け寄って来た。


「エリー様、例の偽金貨の出所が分かりました」

「……随分と早いわね。もうルートをたどれたの?」

「トレートル商会に入ってきた偽金貨とは別のルートで入った情報です」

「別ルート?」

「はい、ハルドリア王国に置いている間者からの報告です」


 ああ、分かってしまった。

 成る程、そう言う事か……。


「…………それで?」


 私は片手を額に当てながら溜息を吐き出し、ミレイに報告を促した。


「はい……偽金貨の出所はファンネル商会。

 王国に残して来たエリー様が作った商会です」


 ファンネル商会は私が個人的に使える予算を確保する為に作った商会だが、あのクソ王子に上層部を挿げ替えられ実権を奪われた商会だ。

 現在の経営陣はフリードの取り巻きである貴族子弟や上手く取り入った商家の人間で占められており、フリードの権力によるゴリ押し経営で評判は地に落ちていると聞く。


「如何なさいますか?」

「そうね……」


 そろそろ王国の商会の件も後始末しなければいけないか。

 それに今の上層部はフリードに近い馬鹿共だし。


「処分しましょう。

 私が作った商会を悪用している者達には地獄を見てもらうわ」

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(・ω・)ノシ


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