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点検と突入

 早朝、宿で果物とミルクという簡単な朝食を食べた後、私達はダンジョンに向かうべく、宿を出た。


「ねぇ、ティーダ」


 昨日、『エリーさん、私のことはティーダって呼んでほしいッス!』と言われたのでこれからはそう呼ぶことにした。


「本当にその修道服で良かったの?」


 ティーダの格好はいつもと同じ修道服だ。

 町の防具屋で革鎧でも用意した方が良いのでは、と聞いたのだが、ティーダはこのままで良いと固辞したのだ。


「はいッス!この修道服は特別製ッスからね。魔法耐性は勿論、耐刃、耐熱、耐寒も付与された優れ物ッスよ」

「なんで修道服にそんな付与が付いているのよ」

「付与職人さんがカードの()()にただで……あ、いえ……えっと、女神様の僕たる私の身を安じた職人さんが付与してくれたんッスよ、あはは」


 まぁ、それなら下手な鎧より防御力は高いか。


 そんな話をしながら町をでて少し進むと、頑丈な塀に囲まれた岩が見えてきた。


 あの岩にできた亀裂がダンジョンの入り口らしい。


 近づくと、防壁の正面に鋼鉄製の大扉があり、その前には武装した衛兵が立っている。

 彼らはダンジョンに入る人間を警戒しているわけではない。

 彼らの役割はダンジョンから魔物が溢れ出さないように監視することだ。


 1年と少し前にもハルドリア王国の属国にあるダンジョンから魔物が溢れ出しかなりの被害が出ている。


 ダンジョンは様々な資源や素材といった恩恵をもたらす反面、魔物災害のリスクもあるのだ。


 衛兵には既に話が通っているようで、特に悶着も無く、通された。

 鋼鉄製の大扉を抜けると、すぐ目の前にある岩に大きな裂け目があり、坂道が下へと続いている。


「よし、ダンジョンに入るぞ。皆、もう一度装備を確認してくれ」


 エルザの指示で私達は武器や防具を点検する。


 今回の行動ではエルザがリーダーを務めることになっている。


 私やティーダは冒険者ではなく、ダンジョン探索の経験も無い。

 必然的にリーダーは冒険者の2人のどちらかに、となった。


 より強いユウがリーダーになるべきだと、エルザは言ったが、純粋に冒険者としての経験はエルザの方が上だと言うユウの意見により、エルザがリーダーに決まったのだ。


 私は左手の手甲を点検し、腰の剣を鞘から抜いて刃を確認する。

 今回のダンジョン探索ではフリューゲルではなく、帝都の武器屋で購入した最高級(ハイエンド)の鋼製の細剣を用意した。


 ダンジョンでは視界が悪い場所も多いだろう。

 そんな場所で死角から魔物の不意打ちを受けた場合、剣で防御できる方が対応の幅が広がると考えたのだ。

 そのため、ダンジョンではこの剣をメインで使うつもりだ。


 エルザは前に使っていた大剣ではなく、取り回しの良いショートソードを手にしている。

 防具は所々鋼で補強された革鎧だ。


 ユウは背中に身の丈以上の戦斧を背負い、腰の左右に、白い柄と赤い柄を持つ斧を提げている。更に手の中で刃を確かめているのは大振りな鉈だ。

 服は袴と呼ばれる東方の島国独特の戦装束の上に、漆黒のローブを羽織っている。


 ティーダは自称特別製の修道服に、いつもの鉄杖だ。

 ユウから受け取った薬酒は宿に預けてきたらしい。


 全員の用意が整った事を確認したエルザは、ギルドで手に入れた地図を広げる。


「今回の目的は地下16階層、最南端にあるエマヤ鉱石の鉱床だ。

 道中の魔物は可能な限り無視して最短ルートを進む。

 今日は7階層に入って直ぐの安全地帯を目指す予定だ」


 エルザは地図をなぞり、ルートや目的地、道中の危険地帯や注意するべき魔物を確認する。


 私達が頷くのを確認し、エルザは地図をしまった。


「よい、行くぞ」


 こうして私達はダンジョンへ足を踏み入れたのだ。

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(・ω・)ノシ

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