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経済界の怪物達③

 アルバートは一拍の間を置いて口を開いた。


「私はレイス商会長の特別認可商人への認定を支持しよう。

 彼女のこれまでの功績と帝国への貢献はその資格を得るのに十分なものだと判断する。

 また、出自による懸念は現在の王国での彼女の扱いに鑑みると、帝国を裏切ってまで王国に与する動機は薄いと考える」


 アルバートはゆっくりと頷くとその場に居る評議員を見回してから宣言する。


「賛成3 反対2 棄権2 だな。

 よって帝国商業ギルド評議会はトレートル商会商会長エリー・レイスを特別認可商人として認めるものとする。

 良いな、ノーチェス、フライウォーク」

「勿論です。私は少々早いとは思いますが、彼女の実力は認めておりますよ」

「俺も議会の決定には従おう。

 だが、全幅の信頼を置くのは危険だという考えは変わらない」

「うむ、ノーチェスの意見も尤もだ。

 トレートル商会への監査は通常の特別認可商人への監査よりも密としよう」


 アルバートがダルクに頷く。


 まぁ、妥当な落とし所ね。

 私の出自は帝国と敵対している国の公爵家。

 無条件で認可が承認されるとは思っていなかったけど、監査が厳しくなる程度は許容範囲内ね。

 ……と言うかこの展開……おそらく予め予定されていたもののような気がするわ。

 一見、議会として決を取っているように見せているけど、既に事前に話し合われていたのだろう。

 コレは特別認可商人として認めても、私を完全に信用している者だけではない、というのを私に伝えるための茶番……いや警告か。


「レイス商会長には後日、帝国商業ギルドから正式に特別認可商人としての認定書を発行する。以上だ」

「はい、感謝致します。

 今後も帝国経済の発展に寄与できるよう努力していくことをお約束しますわ」

「うむ、期待しているぞ」



 一礼して部屋を出た私は、ミレイの待つ馬車へと戻ってきた。


「お疲れ様です、エリー様」

「ええ、待たせたわね」

「いえ、結果の程はいかがでしたか?」

「無事、認可が下りたわ。

 ただ、監査は厳しくなるみたいね」

「そうですか……………まぁ、我々の素性を考えると当然ですね」

「そうね」


 簡単に結果を伝えた後、馬車を走らせる。

 今日はこれから帝都に近い港町へ向かう予定だ。

 南大陸からの交易船が来ており、私が注文していた荷物を運んできているはずなのだ。


 帝都の門を出て街道を走ること数時間、交易の中心地として発展している港町へと入った。

 宿に馬車を預けた後、私とミレイは港へと向かった。


 町の至る所で魚や貝などの網焼きや串焼きの屋台が美味しそうな香りを放っている。


「丁度いいから何か食べていきましょうか」

「そうですね。偶には屋台も良いですね」

「外で食べ歩きなんて昔では考えられないわね」


 私とミレイは貝の串焼きを買い、港まで歩きながら食べる。


「香ばしくて美味しいわね」

「なんでも東の島国から輸入したソースを使っているそうです」

「どうりで珍しい味だと思ったわ」

「その分、少し高かったですけどね」


 その他にも外国の珍しい果物やこの辺りで飲まれている物とは違うお茶などを楽しみながら港へと到着した。


「あれね」


 私の目的である大きな交易船。

 その船名を確認した私は、荷下ろしをしている船員に話しかけてた。


「失礼、私はトレートル商会の者ですが、船長殿はいらっしゃるかしら?」

「ん?トレートル商会?…………ああ、あの鳥を飛ばして依頼してきたっていう商会か?」

「ええ」


 彼らへの依頼はセイントバードを飛ばしてお願いした。

 そのため、直接会うのは初めてだ。


「ちょっと待ってくれ……おい!頭は何処だ?」


 船員の男は近くに居た仲間に話しかけて船長の居場所を聞き出してきた。


「こっちだ、ついてきな」


 男に連れられて、私とミレイは大きな交易船へと乗り込んでいった。

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(・ω・)ノシ

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[気になる点] 評議員の過半数の支持が必要で 賛成3 反対2 棄権2なら 『支持』は3票。過半数に足りないんじゃなかな? 有効票の過半数なら話は変わりますが…
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