エルザの剣③
構えた【不屈の大剣】に魔力を注ぐ。
この身の危機に増幅された神器に蓄えられた魔力に、更に追加で魔力を加えていく。
「む⁉︎マンティコア!」
私の行動を不審に思ったのか、蠍はマンティコアに命令を出した。
「グル!」
マンティコアの毒尾が目にも止まらぬ速さで私に迫り、その鋭い毒針で私の肩を貫いた。
「がっは⁉︎」
刺された肩が燃える様な熱を持ったと思った瞬間、胃の奥から血が込み上げ、その場に吐き出した。
「ははは、何がしたかったのか知らないが無駄だった様ね」
「ごほ……ふ、そんな事はないさ。【不死鳥の焔】」
【不屈の大剣】から青い炎が燃え上がり、私の体を包み込んだ。
「ちっ、何を⁉︎」
蠍は手にしていた短剣を振るう。
すると短剣は刀身が伸び、鞭の様にしなって私の胴を両断した。
更にマンティコアが獅子の前脚で私の頭を叩き潰した。
「Aランク冒険者と言っても1人ではこの程度か……」
蠍が呟いて踵を返した時、マンティコアの足の下で燻っていた青い炎が一気に燃え上がり、その中から飛び出した腕がマンティコアの毒尾を鷲掴みにする。
そして青い炎の中から現れた無傷の私は、2回り小さくなり、大剣から長剣サイズになった【不屈の大剣】を一振りしマンティコアの尾を切断した。
「馬鹿な⁉︎マンティコアの毒を受けた上、頭を潰したのよ!」
「ああ、なかなかの治癒力だろ?」
「治癒……何を言っているの?そんなのはもう治癒を超えているわ」
「はは、そうだな。今の私は不死身ってやつさ」




