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大戦⑦

 魔力を纏わせた大斧で目の前の魔物を数体纏めて薙ぎ払ったユウは、周囲で戦う冒険者達の様子を見回した。


 エルザは長剣を巧みに操りオークの群れを蹂躙し、バアルは拳でロックゴーレムを殴り砕いている。

 2人の魔法使いもお互いをカバーしながら次々と広域魔法を叩き込んでいた。


 ユウ達選抜された冒険者達が魔物の群れを抑えている間にユーティア帝国の騎兵部隊はハルドリア王国の前線拠点を次々と襲撃して行った。

 壊滅まではさせる事は出来ないが、上位の指揮官を複数打ち取り、物資に火を着け混乱を煽るだけでも十分な戦果だ。


「おっと」


 ユウが大斧を掲げて半人半牛の巨体の魔物、ミノタウルスのハンドアックスを受け止めた。


「ほほう、なかなか良い斧ですね」


 刃を合わせ拮抗していた大斧を右腕を引く事で傾けてミノタウルスのハンドアックスを流し、時計回りに大斧を振り抜く。

 腕力に魔力、遠心力を加えた一撃は分厚い筋肉の鎧で覆われたミノタウルスの巨木の様な胴を抵抗なく斬り飛ばした。


 ユウは死んだミノタウルスの腕からハンドアックスを抜き取ると、軽く数回振り回し、死角から飛び掛かって来ていたポイズンウルフの首を叩き斬った。


「悪くない斧ですね」


 大柄なミノタウルスが手にしていた片手持ちのハンドアックスだが、小柄なユウが持つとまるで長柄のバトルアックスの様だ。


「ギュー!!」


 上空からオリオンの嘶きが聞こえた。

 騎兵部隊が作戦を終えた合図だ。


「撤退しますよ」


 急降下して来たオリオンの背に飛び乗ったユウが、手綱を握り低空を飛ぶとバアルが魔物を引きつけて隙をつくり、その間にエルザや魔法使い達がユウの後ろに乗り、飛び立つ時にバアルもオリオンの足に掴まってその場を離脱した。


「システィアさんはどこですか?」

「……あそこだ!」


 エルザが指さした方には泥の龍の背に乗り竜騎兵と渡り合うシスティアの姿があった。


「流石ですね。王国の精鋭である竜騎兵を何騎か落としていますね」


 ユウ達はシスティアを回収する為に急行するのだった。



 ◇◆☆◆◇



「騎兵を出して来たか」

「はい、フリード殿下が連れてきたモンスターテイマーの魔物部隊を向かわせましたが、サンダーバードに乗って現れた数人の高ランク冒険者らしき集団によって妨害されてしまいました。

 竜騎兵も出しましたが、『泥のシスティア』に阻まれ5騎が落とされました」

「そうか」

「前線で指揮を取っていた者達とフリード殿下は撤退して来ています。兵は如何致しますか?」

「そのまま戦わせておけ。

 所詮は俺の命を無視して愚息に着いた反逆者共の軍だ。

 せいぜい役に立って貰わねぇとな」

「ではその様に」


 もともと捨て駒であった前線の戦力が溶けたところでブラート王の軍勢には大した影響はない。

 それで敵が疲弊してくれるなら儲けものだ。


 ブラート王とジークが話していると、青い顔をした伝令兵が報告を持って駆け込んで来た。


「ご、ご報告致します。王都から伝令!王城に残っていたアデル殿下が王位の継承と戴冠を宣言!王国に残っていた戦力を王都に集めております」

「な、何だと⁉︎」

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― 新着の感想 ―
[一言] >「な、何だと⁉︎」 そこに驚いちゃうとこが最高に王ってカンジです。
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