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第105章「闇系統のエネルギア」

「なんやっ?!やっぱりもう決着ついとんね!」

「みんな……!勝ったのね!」


西部での戦いが終わった後、ハクとアイリス、その他一部の騎士達は北部に味方の援護のため向かっていた。だが時刻は20時。到着した時にはもうすでに戦いは終わっていたのだ。辺りを見渡したところ今現在敵の兵士の拘束が終わったようだった。そんな中、ハクとアイリスの姿をみかけたロイは声をかける。


「よぉ!お疲れ!お前らも勝ったみたいだな!!」

「ロ、ロイっ?!なんでここに?城内にいたんじゃ……」


まさかの人物がいたことにアイリスは目を見開き、驚くのだった。ロイは何があったか説明する。


「いや、実はな。北部は戦力的に不安があったから保険として俺も戦いに急遽参加することになったんだ。で、ウルと俺はアトラスを!そして……」

「シモンは私とレイラが倒したわ!」


会話を遮ったのはアクアである。レイラもその隣で手を振りながら、笑みを浮かべていた。ハクはレイラに気になったことを尋ねる。


「レイラ?そーいえばウルがおらへんみたいだけどどうかしたん?ま、まさか……死んだん?!?!」

「ちゃ、ちゃん生きてるわよっ!ちょっと敵にやられた傷が深くて向こうで横になってるわ!逆に聞くけどケイ様は?!」

「なんや……ウル、生きとるんかい!あと……あの男なら心配いらん!東部の援護に行っとんで!もーぼちぼち着くんやないん?」

「そか……良かった……」


そんなハクとレイラが話している中、アクアの携帯に電話が鳴る。相手はシルファだった。


「もしもしー?シルファ?」

「あっ!!アクア!無事だったんですね?!」

「ええっ!アイリスとハク、ロイも一緒よ!ちょうど今からこっちから電話するつもりだったわ。北部での戦いは無事ギリギリだけど勝ったわよ!」

「それは良かったです!アクア達ならきっと大丈夫と思ってました!」

「ふふっ……!信頼しすぎよ!でもありがと!」

「ですが……悪い知らせがあります。今アイリス達もいるのですよね?携帯をスピーカーモードにしてもらえませんか?」

「……!!わ、悪い知らせですって?何?何かあったの?!」


悪い知らせと言う言葉にアクアは携帯電話をスピーカーモードにする。この場にいたロイ、アイリス、ハク、レイラは会話をやめ、耳を傾ける。そしてシルファは電話越しにアクアに伝えるのだった。


「中央部にゼファーが現れたのです!!」

『!?』


皆の表情が一気に変わる。シルファからその後、事細かく詳細を聞き、皆急いで中央部に向かうことになるのだった。


----------------------------


同時刻の20時。ここ東部でも戦いが始まってから4時間が経過した頃、ようやく勝敗が決まりそうだった。最後まで立っていたのはボロボロのタイガと禍々しい黒いオーラを纏い、そして人型の竜の姿をしたドラグナ=ドミニクスただ2人。そしてドラグナは地面にひれ伏すアラン、ラキ、ルナをまるで何も興味を示さない眼差しで見つめた後、目の前に立つタイガに向かって言う。


「くっくっく……最後に残ったおまえとはな!」

「はぁ……はぁ……まぁそうらしいな……」


シャドウナイトのリーダー、ドラグナの強さは圧倒的だった。東部に現れたのはドラグナただ1人。にもかかわらず騎士側300人を相手に、真っ向から勝負を挑み、ついにはナンバーズの3人をも倒すのだった。地面に倒れながらもルナ、アランは呟く。


「私達の攻撃がまるで歯が立たないだとっ?!……ば……化け物め。」

「お、俺が……こんな奴にっ!なぜだ?!なぜ攻撃が効かないっ?!」


そもそもなぜドラグナが圧倒的に強いのか、それは彼の能力によるためだった。ドラグナはアランの質問に気味の悪い表情でこう答える。


「俺の力は闇系統のエネルギア、ドラゴンアーマー……太陽のエネルギアを持つ奴の攻撃しかダメージはうけねーんだよ!」

「ば、ばかなっ!!」


アランは目を見開き、信じられないといった表情で反応する。よってどんなに攻撃を与えても普通の攻撃では、意味がなかった。光系統のエネルギアを持つものは1億人に1人の割合。つまり実質無敵に等しい力である。だからこそドラグナは目の前の男、タイガにだけは興味を示すのだった。普通なら誰しもが諦める絶望的な状況の中、タイガは不敵な笑みを浮かべ、ドラグナに向かってこう言う。


「……親切にどうも!どうやら勝てる見込みがあるのは俺だけのようだな!」

「こちらとしても予想外だったさ。まさかお前のような奴がその幻の太陽の力を持つとは思わなかったからな。だがお前はその力を活かしきれてないようだ!」

「だからなんだよ?そんなもん知らねーよ!ただお前らシャドウナイトが世界を破滅に導くというなら、俺はお前を全力で止めにいくだけだっ!行くぞっ!!」


タイガはハンマーを抱えながらドラグナに突進していき、叫ぶのだった。


「ダイヤモンドっ!!バスタぁぁーー!!!」

「そんな直線的な攻撃が俺にあたると思うな!」


こうしてタイガはシャドウナイト最強の男ドラグナとの勝負が始まるのだった。


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