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第98章「夢~フィオナの想いと欲望~」

ちょっとだけエロいかもです……苦手な方はすみません

「う、うーん……ここは一体?」


フィオナが目を覚ますと、そこは自室のいつものベッドの上だった。壁に掛けられたカレンダーと時計を見る。ある日の日曜日、時刻は14時。昼すぎまで寝ていたようだった。


(あ、あれ?私なんでこんな時間まで寝てたんだっけ?昨日のことも思い出せないわ……)


そんなまだまだ思考がまとまらず、ベッドの上でぼんやりとしていると部屋のインターフォンがなる。


「はーい!!」


誰かしら?私何か予定入れてたの?クルミとカフェ?そう思いながらドアを開ける。そこにいたのは……


「ケ、ケイ?!?!」


まさかの人物の登場にフィオナは顔を赤面させる。心臓の鼓動が一気に高鳴りながらもどうして来たのかを尋ねる。


「ど、どうしてケイが?な、なんの用なのよ!?」

「な、なんの用って見舞いだよ。昨日訓練中に倒れただろ?大丈夫かなって思って様子を見にきたんだよ。これ差し入れだ。ほい!」

「あっ……そ、そういうことなのね……」


ほい!と言ってケイが渡してきたのはコンビニで買ったのであろうアイスや栄養ドリンク、様々な瑞々しい果物だった。


「まっ!元気そうでよかったよ!今日はゆっくり休めよ!それじゃ……」


そう言い目の前の大好きな少年が帰ろうとしたときだった。とっさにフィオナはケイの服の裾を掴む。


「……えっ?フィオナ?」

「……あっ!!ごめん!!ケイ!なんでもないわ!」


慌てて手を話すフィオナ。そんな彼女を見てケイは爽やかな笑顔で予想外のことを言う。


「なぁ家の中入っていいか?中で一緒にアイスでも食べようぜ!」

「ふぇっ?!う、うん……!ど、どうぞ!!」

「お邪魔しまーす!」


ケイが家に入っていく姿を見てフィオナはトマトのように顔を真っ赤にする。まさかこんな展開になるとは思っていなかった。大好きな人と二人きり。こんな状況で緊張するなと言われても無理なのは至極当然のことだった。リビングに到着するとケイはへぇ……と何か感心したかのように呟く。


「な、なによ!あんまりジロジロと部屋をみないでよね!!」

「あーわりーわりー!でも凄く部屋綺麗だなと思って!」

「あ、当たり前よ!私こう見えて結構掃除をマメにする方なんだから!!」

「たしかに!フィオナは結構そういうところしっかりしてそうだもんな!まぁとりあえず座っていいか?えーと……」


ケイが見たのはリビングにあった横に幅広いソファだった。ちょうど2人横に並んで座れる長さであった。


「……っ!!しょ、しょうがないわね!きょ、今日は特別なんだからね!」


そう言い二人は横並びにソファに座るのだった。当然ながらもの凄く互いの距離は近かった。フィオナはもうまともに恥ずかしさのあまりケイの方を向くことができなかった。


(ふぇ、ち、近い!!ど、どうしよ!?どうしよ?!な、何か話す話題はー!!)


そんな心臓が爆発するのではないかと思えるくらいドキドキしていた時だった。ケイが急にフィオナに声をかける。


「フィオナ!」

「ひゃい!!」

「な、なんだよ?変な声だして……ほれ!アイスだ!お前たしかこのソーダのアイス好きだったろ?」

「あ、アイスね!アイス!そのアイス好きよ!わかってるじゃない!ありがと!」


それから二人はアイスを食べながら楽しくソファの上で雑談する。フィオナにとってこんなに長い間二人きりで話すのは久しぶりだった。いつもケイの周りには人が集まっていてなかなか一人占めできなかったからだ。ついつい話が弾み時間など忘れていた。


----------------------------


「あっはっは!何それー!変なの!!」

「だろー!?」


他愛もない会話と共にアイスが食べ終わった後、ケイは気づく。フィオナの口周りにアイスが少しついていたことを。


「あっ!フィオナ。ちょっと動かないで。……ほらアイスついてたぞ。」


ケイはフィオナの口周りについたアイスを自身の手で優しく拭いてとってあげるのだった。その瞬間フィオナは顔を再び真っ赤にし、一瞬忘れていた緊張が一気に蘇ったのだった。


「な、な、にゃにを!して……!」

「な、なんかしゃべり方可笑しくなってないか?」

「なるわよ!!大好きな人からこんなことされて何も意識しないわけないじゃない!!!…………あっ!!」

「……へっ?!」


ついつい自分の想いを口にしてしまいフィオナはパニックになる。


(えっ?!わ、私今っ!好きって!嘘っ!嘘っ!嘘っ!?)


フィオナは前に一度ケイに告白したがその時よりケイのことがずっとずっと好きだった。もうケイがいなかったら生きていけないくらい好きだった。だからこそ絶対フラれたくなかった。多分それこそフラれたら自殺するのではないかと思えるくらい……


「……フィオナ……お前……」

「な、何も言わないで!!お願い!!嫌なの!怖いの!私ケイにフラれたら多分本当に自殺するから!!!だからお願い!何も言わないで!!」


フィオナは一気に涙目になり両手で耳を塞ぐ。ケイはそんなフィオナを見つめた後、決心したかのようにフィオナの両手を少し強引に、それでも痛くしないように優しく耳から引き離す。


「い、いや!!お、お願い!!言わないで!」

「いや。フィオナ聞いてくれ。俺の話を。俺はお前に謝らなければならない……」


その言葉を聞いた瞬間、フィオナは涙が溢れ、ケイに抱きつきながら必死に自分の想いを伝える。


「……や、やだ……やだよっ!!わ、私をフラないで…………大好きなケイにフラれたら私……私もう生きていけないよぉ……」

「フィオナ!最後まで聞いてくれ!俺が謝らなければならないのはお前から言わせてしまったことだ!」

「……ぇっ……そ、それってどういう……」


フィオナが戸惑い、理解が追いついていない中、ケイは一度抱きついたフィオナを引き離し自分の想いをフィオナの目を真っ直ぐ見つめて伝える。それはフィオナがずっとずっと待っていた言葉だった……


「俺はフィオナのことが好きだ!俺と結婚を前提に付き合ってほしい!」

「……ふぇっ……?」


今ケイはなんていったの?私のことが好き?結婚を前提に付き合ってほしい?……えっ?


「だめか?」

「……ほ、本当に私のことが好きなの?」

「ああ!」

「本当に?」

「本当にだ!俺はフィオナのことが好きだ!」


ケイの嘘偽りのない真剣な表情を見て、フィオナは理解する。ずっと大好きだったケイに告白されたことに。それがわかった瞬間フィオナは号泣し、子供のように泣き叫びながら自分のこれまで素直になれなかった気持ちを全部ケイにぶつけるのだった。


「うぇぇぇーーーーん!!好き!!ケーちゃんが好き!!大好き!!ずっとずっと好きだったんだからぁぁーー!!!」

「ははっ!ケーちゃんって……!でもなんでだろ……?なんだか懐かしい響きだな……」

「そ、そんなことより私のこと本当に好きなのよね?!もう一回言ってよ!!」

「ああ!俺はフィオナ。お前のことを愛してる!ずっとずっと大好きだ!」

「ケーちゃんっ!!」


それからケイは左手でフィオナの顎を優しく触りながら自身の顔をゆっくりフィオナの顔に近づける。ケイが何をするかフィオナは理解した後、顔を真っ赤にしながら目を瞑る。そして二人の唇が優しく重なり合うのだった……


「……さ、されちゃった……ケ、ケイからキスを……」

「い、嫌だったか?」

「もっと……もっとして!!一杯一杯して!!ケイがほしい!」

「フィオナ……」


愛し合う二人はお互いの唇を激しく求め合う。何度も何度も。そして……


「ね、ねぇ……ケイ……」

「ど、どうかしたか?」

「……私ケイとこれ以上のことがしたい……」

「なぁっ!?ほ、本気で言ってるのか?」

「うん……ケイ……えっちしよ……」

「……!!」


フィオナはリモコンで明かりを消し、部屋を暗くする。それからはお互いに言葉はなかった。ソファから手を繋ぎながら寝室のベッドに移動する。お互いに同時にベッドに倒れこむ。そしてケイはフィオナに照れながら言う。


「……フィオナ……俺多分抑えきかなくなるけど大丈夫か?」

「う、うん……私も多分理性飛ぶと思う……ね、ねぇケイ……?」

「……ん?」

「い、一杯一杯私のこと愛してね……そして私が私じゃなくなるまでめちゃくちゃにしてほしい…………ずっとずっとずっとケーちゃんと求め合いたい……一つになりたいの……」


フィオナが己の欲望をすべてさらけ出した後、二人は動物になる。暗闇の中ベッドの上でお互いうまれたままの姿になった時、もう止まらなかった。愛し合う二人は何度も何度もキスをしながらいつまでもお互い身体の中で一番大切な場所を求め合うのだった……

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