エピローグ -遅過ぎた帰還-
※連続投稿になりますので読み飛ばしにご注意を。
市街戦までには発展しなかったものの至るところに残る侵攻の痕跡。
当主代行であるティシャーナが緊急連絡を受け、遥か西の地より急ぎ駆け付けた頃にはもうとっくにすべてが終わったあとだった。
北方海峡を渉った妹たちの敗北。
旧都バートペシュポートの陥落。
王都周辺一帯に及んだ戦火と戦災。
辛うじて得た勝利と、その代償。
留守中の守りを任せていたプリンセチアとジギタリスから事の顛末を聞き終えたティシャーナは、しばらくただ静かに怒りに打ち震えていた。
どうしようもなく湧き上がって来る憤怒の感情。
その矛先は他ならぬ自分自身に。
完全に敵の本質を見誤った。
なんたる失態か。
ファンダイン家はじまって以来、最大にして最悪の失錯を、自分は、犯してしまった。
「この責任は、すべてが終わったあとに……」
長い長い沈黙のあとだった。
ようやく現状を呑み込んだティシャーナはそれだけ告げると、仇讐となった終焉の解放者の殲滅に向け確固たる覚悟を決めた。
あけましておめでとうございます。
新年早々になりますが、これにて【王救戦争編Ⅰ】は終了。次章より【王救戦争編Ⅱ】となりますが、毎度のことながらプロットの整理の時間含めて少し休載期間を置かせていただきます。
またそれにプラスして新作を書きたい気持ちが最近めらめら湧いてきているので、もしかしたらいつもより余計に再開が遅くなるかもしれません。どうか首を長くしてお待ちいただければと思います。
では、また次章で!











