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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
新素材発掘の旅

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ジャッジ、ただいま尋問中

いつもありがとうございます。

その頃のじゃっじは……的なお話です。

「……どういうつもりだ?」

 己の騎獣であるグリフォンが暴れだしたのを確認したジャッジは、現実に戻りスフィンクスの居場所特定に努めた。どうやらクリスと一緒にアメリカにいるらしい。

 メールでやり取りをした後、「TabTapS!」内で落ち合うことになった。

「どういうつもり、と言われてもねぇ」

「あの時、あのクエストから俺らが手を引く代わりに、『使役獣の暴動』クエは発動させない、そう言う約束だっただろうが」

「仕方ないじゃないか、キャンセルならなかったんだからさ。それに、君らのところは大きな騒ぎになっていないようだけど?」

「だから、なおさら騒ぎになるんだ」

 カエルムの騎獣だけが大人しいとなったら、やっかみを買う。それすらも分からないというのか。

「だってさぁ、ゲームだからって何をしてもいいと思っている馬鹿が多すぎなんだよ。君のいるギルドも含めて」

 話にならない。のらりくらりとスフィンクスは言葉を濁していく。

「スフィンクス、Little ladyに迷惑をかけるのは私も許せないよ」

 てめえは出てくんじゃねぇ! そう言いたいが、ここはクリスが個人所有しているフィールド。聞かれたくないのなら、ジャッジが出ていくしかないのだ。

「……待って。その『Little lady』って誰のこと?」

「My dear sonの可愛い恋人だよ。そして、お前が『絶対にクリアできない』と称した『名月クエスト』をクリアし、『娘香の巫女』という称号を正式に貰ったLadyだ」

 セラフィムが考案し、難易度を高めたのがスフィンクス。そのクエストが「名月クエスト」だ。

「クリスが名称つけてるって時点で異常なんだけど」

 スフィンクスの言葉に、ジャッジも頭を抱えた。


 ……最近当たり前のようになっていたため、そのことをすっかり失念していたジャッジである。通常であれば、黄道十二星座や、聖書などに由来する名前でしか呼ばない。

「アドナキエル、君が忘れるというのが不思議だ」

「だって、俺は裏切者(ユダ)らしいし」

「私はそんなこと言ったつもりはないんだけどねぇ」

「他の奴らから見れば、俺はユダだろうが」

 勝手にクリスの前を去ったのだから。

「う~ん。My dear sonの場合は私が一回手を離したからねぇ」

「それが一因となって、アドナキエルは別の呼び名を手に入れたんだから、それでいいじゃないか。で、クリスが目をかけるってことは凄いってことだね。僕も会いた……」

「誰が会わせるか。こちらとの約束をあっさり反故にしたのはお前だろうが」

 これ以上癖の強いやつにカナリアを会わせてたまるか。自分のことを棚に上げてジャッジはそう思った。

「Little ladyは凄いよ。何せMy dear sonの重すぎる愛情をあっさり受け止められるし」

「ということは公私ともにアドナキエルを支えるのか」

「それはないかな。プライベートだけだろうね」

「カナリアにプログラミングの仕事を覚えさせる気ないぞ」

 タカとユウが面白がって覚えさせようとしたが、「ぷしゅー」という擬音語がお似合いの表情でフリーズした。ジャッジがアクセサリーを作ろうとして覚えられないのと一緒だろう。

「そういう意味ではCheerful guyが優秀だよ」

「……誰それ?」

「内緒」

 にやりと笑ってクリスが濁した。因みにCheerful guyはイッセンのことである。

「話戻るよ。僕はてっきりアドナキエルが手を打ったから、君の周りで使役獣が前のままなんだと思っていたんだけど」

 ジャッジはスフィンクスが仕出かしたと思って抗議に来たが、どうやら違ったらしい。


 セバスチャンの飯が絡んでいるようである。


Cheerful:陽気な

つまりCheerful guyは「陽気な男」。


イッセン「俺、能天気じゃないんだけど」

 ……ウンソウダネ

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