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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
様々な思惑

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難易度の高いクエスト

いつもありがとうございます。


「ひゃっほぉい! 楽しいねぇ! レイドはこうじゃなくっちゃ!!」

 スカーレットが心底楽しそうに言う。

 タンク役であるジャスティスたちを筆頭に、全員が孤立しないよう進んでいく。

「しっかし、『春陽』には優秀な回復役がいるな!」

「それ、同感!! すぐに回復してくれるしね。兄貴だと少し放置されるから!」

 その言葉に「春陽」メンバーがぎょっとする。

「『スワスティ』さんのところ、レイドしたことないって嘘でしょ?」

「あははは。ほとんどありませんよー。『兎レイド』は関知してませんし、大体がこのクエストでしかやりません」

 そう言ってきたのは「スワスティ」ギルマス、ウドムだ。


 この三つのギルドが集まると、ウドムが前線で指揮を執り、後衛でカーティスが執るという。

「さすが! 協力することに慣れているところは違うな」

 ディスカスも楽しそうに言いながら、魔法を繰り出していく。

「……つかさ、どうしてこれ、レイドだよね?」

 緊張感ないんだけど! そう叫んだのはユウだった。

「『踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々』って言葉があるだろ? 楽しめるものを楽しんでおかないと、後々苦労するぞ」

 某ゾンビゲームよろしく、ジャッジがランチャーに持ち直して湧き出たものを倒していく。

「今日は二丁拳銃じゃないんだ」

「弾切れおこしたら使う! それにタカさんが使ってるのに、俺が使ってもなぁ」

 そんな話をしていた時だった。

『甲殻のあるモンスターが四方から出てきました! 大砲係はすぐ持ち場へ!』

 グループ通話ですぐさまカーティスから指示が出る。

『ストックは?』

「あ、多分親父の弾が切れるかも」

『分かった。カナリア君を向かわせる』

 次々に飛ぶ指示に、全員が従っていく。



「さて、久しぶりの大砲だ。いっちょやるか」

 にやりとジャッジが笑い、軽く(、、)照準を合わせるとそのままぶっ放した。


「ディッチさん、これまずい」

 撃った感覚でジャッジはすぐさま気付いた。

『どうした?』

「一回撃つと、ほぼ機能しなくなる。すぐディス呼んで」

 カーティスの話では何度か甲殻モンスターが現れると聞いていた。これでは「全滅してください」と言っているようなものだ。

『分かった。リリアーヌ君から簡易大砲貰っといてくれ。これほど威力はないが、数発撃てば多少はましなはずだ』

「りょーかい」

 大砲係のメンバーも一度リリアーヌと会って大砲を貰ってから再度持ち場に戻る。

 それと入れ替わりでディスカスが大砲のところに行く。

「……大砲はほとんど使うなってか。どんだけ鬼仕様なクエストなんだよ」


 何度か依頼され参加した「攻防」クエストの中でも最難関なクエストだと、ジャッジは痛感していた。



『ディッチさん、とりあえず他のメンバーにもランチャーまで渡しておきました』

「リリアーヌ君、ありがとう。これで少しはもちこたえられるな」

『いえいえ~。ランチャーを多めに作っててくれたディスカスさんと、指示してくれてたディッチさんのおかげです』

 そんな話をしている間にも、今度はマモルたちのところの薬が切れ始めた。

「リリアーヌ君、そのままマモルさんたちのところへ! カナリア君はユーリたちのところへ!」

『りょーかいでーす』

『ふぇ!? わ、分かりました!!』

 慌てたカナリアの反応に、嫌な予感しかしない。

「カナリア君、まさかと思うけど採取なんてしてないよね?」

『……』

 電話越しの沈黙が肯定だと言っているようなものだ。

 どこまでも素材のために突っ走るカナリアに、ため息しか出てこない。


 それを見ていたカーティスが笑いを堪えていた。


昨日書くだけ書いて、我が家で起きたドラゴン騒動のおかげでUPすることを忘れてました!!

ドラゴン騒動、詳しく知りたい方は10/28の活動報告をご覧ください。

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