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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
様々な思惑

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次のレイドに向けて

いつもありがとうございます。

「……しくったな」

「そうですねぇ」

 この会話は、ジャスティスとカナリアのものである。


 何がしくったのかと言うと、運営側から二人に「翼竜がらみのクエスト・レイド禁止令」が出てしまったのだ。


 理由として、ジャスティスが取得した「翼竜の愛を得る者」というスキルと、カナリアの「翼竜の友達」というスキルのせいである。

 それゆえ、翼竜関係の素材をどうするのか!? と慌てた二人だが、他のギルドメンバーたちが取ってきてくれるということで、事なきを得た。


 そんな二人は、本日喫茶店で働いている。


「今日、皆さん何に行くって言ってましたっけ?」

「この間と同じ『翼竜を守るキングゴーレム』。んでもって『神社仏閣を愛する会』の連中と合同」

「……羨ましいです」

「まったくだ」

 ディッチがレイド戦にこだわっている理由を知っているジャスティスは尚更だ。


 間もなく年に一度の「攻防」クエストがある。


「攻防」クエストとは、毎年どこかの大陸、もしくは島に「穴」が開き、そこから魑魅魍魎(ちみもうりょう)(もしくは悪魔)が湧き出てくるというものだ。

 参加者はプレイヤー全員。穴が開いてしまったところに本拠地を持つギルドはメンバー全員が強制参加だが、それ以外は任意だ。

 昨年はギルドを設立したのがこのクエストのあとだったこともあり、誰一人参加しなかった。今年は、舞台がマリル諸島ということもあり、「カエルム」は参加を表明している。

 マリル諸島に本拠地を持つギルドは少なく、零細ギルドが多いのが実情である。

 それも考慮すると、かなり苦戦するのが見えている。


 実際、カーティスたちは「毎回島が舞台になると、滅茶苦茶になって終わり」と言っている。


 二十四PT×六人まで集められればいいが、それでも厳しいだろうとジャスティスは見ている。「最低でもペア、理想はマキシム。ただ人数がいればいいって問題でもないがな」というのがディッチの言い分だった。


 そして、このイベントに対して、もの凄く嫌な予感がする。


 その理由は現在竜神と共に来て、抹茶パフェを食べている美幼女メルの存在だ。

「ジャスティスが参加するなら、私も父上と母上と共に参加する!」と表明してくれたおかげだ。


「やっぱり『カエルム』メンバーはリア充ばかりっすね!」

 そう言ってきたのはレンだ。

「……リア充はジャッジのところとディッチさんのところだけだぞ?」

 ジャスティスは仕事とゲームの関係上、そういう相手はいない。

「どこがっすか! こんな可愛い女の子が恋人っしょ!?」

 この野郎、PvP申し込んでボッコボコにしてやろうかとか思ってしまう。

「ふふふ。ジャスティスは照れ屋さんだから! 私はいつでもジャスティスを婿に(、、)もらうぞ!」

「……だから対象外だって言ってんだろうが」

 メルのご機嫌な言葉に、ジャスティスは力なくうなだれていた。


何だかんだいって、要所要所出てて来るようになったレン君……

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