翼竜を守るキングゴーレム(終)
いつもありがとうございます。
短めですが、区切りがいいので更新します。
小話部屋に「初めてのXX」というタイトルでお礼小話UPしました!
ここは丁重にお断りと考えていたジャスティスだが、それを壊すのもカナリアだ。
「はい。皆さんの分ありますから、どうぞ」
そりゃもう、嬉しそうにミートパイにかぶりついている雌翼竜(お年頃)に、ジャスティスはどん引きした。
……うん。さっき連れて来られて、しばらく「ぽっ」と顔を赤められ、恥ずかしそうにしていた雌翼竜(お年頃)たち。その光景すら信じられなかったが、今の光景はもっと信じられない。
雌翼竜(お年頃)が先ほどまでの臨戦態勢を解き、カナリアの前でお行儀よくミートパイを食べているのだ。
ミートパイ(セバス製)が規格外なのか、カナリアが規格外なのか。
……両方だ。そう結論付けたジャスティスは、己が雌翼竜(お年頃)に求婚されていたことを綺麗さっぱりと忘れることにしたのである。
「『飛行モンスターの友達』ってスキル持ちだっけ」
カナリアの持つスキルは独特なものが多すぎる。その一つに雌翼竜たちが反応したのかもしれない。
実際、カナリアを背中に乗せる気になっている雌翼竜もいる。
ジャスティスにそれが伝わってくるのは、やはり「竜神の寵を受ける者」というスキルのおかげなのだが、それを棚上げしているということに気付かなかった。
結局、レイド戦は有耶無耶のうちに終わり、カナリアが翼竜を騎乗モンスターとして手に入れ、ジャスティスが「翼竜の愛を得る者」という称号をもらって一応幕は閉じた。
ステータス画面を確認した全員が、それぞれに特有のスキルを得ていたことに気付くのはかなり経ってからである。
今回に限って言えば、カナリアとジャスティスは五十歩百歩……




