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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
イベントとクエストの楽しみ

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カエルムVSリアライズの結果


 ぱりん。ディスカスのタブレットが破壊された。


 魔法を使う者にとって、タブレットは重要である。これで一時的にジャッジは魔法剣を使えなくなる。

 一応はディッチにも付加してもらうことはできる。だが、ディッチのMPは回復のために取っておきたいのが本音だ。

 タブレットが破壊されるのは、予想済み。だったらとジャッジたちは別の対策を練っていた。

「ほれ、ディス」

「サンキュ」

 すぐにジャッジがディスカスにタブレットを渡す。

 試合の前にタブレットを確認した時、「タブレット使用者登録」という項目がPvPのところにあったのだ。そして、登録情報の使用者に「ディスカス」と「ディッチ」も登録しておいた。


 本当に出来るとは思わなかったが。

 どうやらPvP限定で相手に渡すことが出来るようである。


 問題はジャッジのタブレットなので、まともな魔法が入っていないということに尽きる。

「もう少し魔法使っとけ」

「魔法には癖があるだろ」

 タブレットはその癖すらも記憶している。だからこそ、使い勝手というものが出てくる。


「うっわ、それあり!?」

「あり、らしい。お前らが鞄から物を盗れるのと同じだろうが!」

 先ほどよりは弱い魔法を付加してもらい、対峙する。

「んな項目あるなんて知らなかった!」

 ぶうたれる「リアライズ」のメンバーを尻目に、ジャッジたちは攻撃を入れていく。


 既にジャッジたちのアイテムは半分くらい盗られている。


 時間も残り三十分。それでも互いにアウトしたプレイヤーはおらず、残りのHPもどっこいどっこいだろう。おそらくそれを把握しているのはディッチだけだが、見えないので聞くことすら出来ない。


「ジャス、レット! 総攻撃!! ジャッジは待機!!」

 急に姿を現したディッチが、全員に指示を出す。

「ディスは適当に魔法を使え!!」

「おうよ」

 その言葉にジャッジたちはすぐに従う。

「わくわくするねぇ! さいっこう!!」

 スカーレットが楽しそうに言う。こうなったら別の意味で暴走するのがスカーレットだ。


 己と同等、もしくは強い相手に対峙すると燃え上がるタイプらしい。そんなスカーレットがロックオンしたのは「リアライズ」の司令塔である。

「ちょっ!! それないよーー!」

 少しだけ慌てたように「リアライズ」の司令塔が叫ぶが、笑いを誘う。

「ジャッジ、お前がステルスマントと姿消し持ってろ。あとでレットにお前の剣片方貸すことになりそうだ」

 その言葉にジャッジは何も言わず、マントを受け取る。

「しっかしこれは無いですよ。何に使うか分からなかったじゃないですか」

「すまん。直前で思いついた」

「……さいですか。被ってますよ。ついでに剣が折れたら出来る限り迅速に持って行きますんで」

「頼んだ」

 そしてマントを被る。そこに向かって「リアライズ」魔法使いが打ち込んでくるが、すぐに避けて別場所へ移動する。


 ぱりん、スカーレットの剣が折れたのはそれから間もなく。

「ジャッジ!!」

 その声にすぐに反応し、ジャッジはスカーレットのそばに行く。

「ほれ。ディッチさんから」

「サンキュー。別に体術勝負でもよか……」

 どこん、凄まじい拳が二人の間に落ちる。

「さすが兄貴! 助かった!!」

 そして、スカーレットと背中合わせなりなる。これは通常レイドと同じである。

「ユーリは二人の補助!」

「はいっ」

 今まで自由に動いていた全員に指示を出して行く。

「ココでそんな本気だしますかぁぁぁ!?」

「出す! 勝ちたいからね!!」

 相手にきっちりとディッチが断言して、すさまじい勢いで魔法を唱える。


「ひっさしぶりよね! カナリアちゃんが一緒に行動してからこういうのなかったし!!」

「カナリアという回復と補助魔法に特化したのがいたからな! 攻撃魔法も使える。厚みも出た!」

 ディスカスがスカーレットに同意する。

「じゃ、あたし右行くからよろしく!!」

 スカーレットが宣言して飛び掛る。そこから一拍遅れてジャッジが行動を開始する。

「えぇぇぇ!? 姉御が囮!?」

「時と場合によりけり!」

 飛び掛ったスカーレットの肩を借りて相手の後ろ側に回り、そのまま斬りつける。

 そして、スカーレットが別のプレイヤーに斬りかかる。


 それに合わせるかのように、ジャスティスが動き、ユーリとディスカスを守るように布陣する。ディッチは少し離れたところでシールドバリアを張り、指示を出していた。

「ディス!」

「おうよ!」

「ジャス!」

「了解!」

「ユーリはそのまま覚えている技を使って!」

「はいっ!」

 総攻撃態勢とでもいうべきものにあっさりと変わり、ジャスティスの拳へディスカスが強化の補助魔法をかける。

 それと同時にジャスティスがプレイヤー二人を叩き潰して行く。

「……うっそん。どうせなら最初から本気出して欲しかったんですが」

「俺は最初から最後までクライマック……」

「兄貴! ふざけんな!! ってか、はなっから本気出してる!! 高難易レイド戦体制とらせたあんたらが規格外!!」

 スカーレットがディッチの言葉を最後まで言わせず、教える。

「それは光栄です」

「リアライズ」の司令塔がそう言った瞬間、試合終了の合図がなった。


 結果は「カエルム」の勝ちである。


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