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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
ジャッジの闇

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PvPマッチ!?

「……カナリアは分からんか……」

 事のあらましをジャッジに伝えると、苦笑していた。

「さっき二人が言っていたのは、有名格闘ゲーム二つのパクリネタだな。誰だそんなもんいれたの」

「私だよ」

 にっこりと笑ってタカが言う。

「PK防止のためにもPvPは必要だと以前から言っていたんだが通らなくてね。今回日の目を見たわけだが。……私の場合は格闘競技の技『ラストライド』とか『山嵐』とかね。ゲームネタは他の人が便乗したと思うよ。とりあえず知りうる限りの格闘ゲームの技を入れてみたって、宣伝されてるし」

 タブレットで情報を確認してタカが言う。元のシステムに関わったという理由からタカは「PvP不可」に設定してあるらしい。システムの根本を作ったものとしてのけじめだと笑っていた。

「PvPやりたさに参入するやつもいそうだな」

「でも、最初だけで後々は経験値マイナスですよね?」

「マイナスになってもやりたいと思うやつも世の中いるってこった」

 カナリアの疑問にジャッジがため息をついて返していた。



――プレイヤーの皆様にお知らせ――

このたび、新設しましたPvP機能を使用したイベントの開催が決定しました。

PvP不可にしている方も、ぜひ登録してお楽しみください。

個人戦、PT戦、ギルド戦の三部門に分かれて開催いたします。

このイベントでの経験値獲得はなりません。また、通常のPvPとは別に扱うものといたします。


個人戦、チーム戦は通常ルールを使用いたしますが、ギルド戦につきましては新たなルールを新設いたします。


内容は以下の通りです。


1 ギルド戦は最大六人まで登録可能。ただし、一ギルドから登録できるのは三つまで。

2 五人以下のギルドにおいて、一人まで他のギルドから臨時で移動が可能。

3 ギルド戦は勝ち抜き方式ではなく、団体で時間まで戦った中で残っている人数が多いほうが勝ち。

4 バッグに詰め込めるアイテムは一人につき四十個まで(武器・防具・消耗アイテムを含む)。

5 ギルド戦は最大二時間ほどの戦闘時間。アイテムに関しては一試合ずつの換算とする。

6 アイテムを数える際はHポーションを十個所持していれば、アイテム十個を所持していると考える。

7 当然タブレットへの攻撃は可能。通常は「不可」にしていたとしていても、攻撃されるのでご注意ください。

以上。この度のイベントを是非お楽しみください。




 数日後、このお知らせが届いてすぐ、カエルムでは参加の仕方を巡って話になっていた。

「というわけでカエルム(うち)からも出るよ」

「面子は?」

「対戦に関してだけは『PvP不可』のプレイヤーでも参加できるらしい。とりあえず個人戦は各自好きなようにとだけ伝えておく。チーム戦は各々でどう組むか考える。それから最後、ギルド戦だが、俺が回復に徹する」

 ディッチが方針として言う。

「出来ればカナリア君に……」

 無理っ! そう思った瞬間カナリアは頭を振っていた。

「そうか。他の人たちは……」

「私はその時だけ『神社仏閣を愛する会』に移動させてもらうよ」

 そういったのはアントニーだった。


「で、兄貴が行くのは確定として……」

「我は出んぞ」

「我々も遠慮させてもらうよ」

「私もだね。ある程度システムを知っている者が出てしまうと、ちょっとね。暫く運営側の方に顔を出すことにするよ」

「あ、俺も。親父の身内ってことで」

 クィーン、パパン、ママン、トト、カカ、タカ、ユウが参戦しないと明言していく。

「残りはあたし、ユーリさん、ディス、ジャス、ジャッジか。ちょうど六人だ」

「じゃあこれでエントリーしてくるぞ」

 それだけ言ってディッチはあっという間にいなくなった。


「ある意味打撃力中心の面子だな。アイテムどうすっかね」

 ジャッジがぼそりと呟いてた。



 結局、戦闘系ギルドなどに関係なくほとんどのギルドがエントリーしていたという。


アイテム四十個というのは、多いようで少なかったりします。

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