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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
ジャッジの闇

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クィーンの企み


「というわけじゃ。お主が代表の一人となれ」

 クエストから返ってくるなり、クィーンがディッチに声をかけてきた。

「……何が『というわけ』なのかさっぱり分かりませんが。お断りいたします」

 こめかみを押さえながらディッチは返した。

「それに、俺は公務員ですから副業を禁止されてます」

 勿論、教職を辞するつもりもない。

「二人ということは、数人目星をつけていたのでしょう?」

「無論」

 パパンの言葉にクィーンは当たり前と言わんばかりに返す。

「ディッチの他に、ディスカス、ジャスティスじゃな。この中から一人と、禰宜田の家から一人。こちらはゲームと関係ない者を選ぶ。そちらは承諾を得ておるゆえ、問題はない」

「あ、俺ら全員お断りします」

 さらりとジャスティスが言う。

「俺らは純粋にゲームを楽しむ一プレイヤーのままでいたいんで。自分が組んでしまうと楽しめないんですよ。裏の裏まで知ってしまうので、試行錯誤して楽しむって事が難しいですから」

「だからこそクリスは数多のプログラマーに声をかけたのやも知れぬな。己の知らぬ部分は純粋に楽しめるであろ?」

「無理だ。あいつは本当に天才的な頭脳を持ってるからな。多少やってみればほぼプログラムに関する穴も全て分かっちまう」

「ほほう。さすがというべきか。『電脳空間の異端児』と異名を取るだけある」

「砂○け婆様、その異名まで知っててやってんのかよ」

 この会話にディッチは勿論、同じようにプログラム関係時従事しているはずのジャスティス、ユウ、タカも首を傾げていた。

「ぶっちゃけ、あいつの才能は誰も御せないんだよ」

「……お前以上か」

 ジャスティスが呆れたように呟く。

「当たり前じゃろ。こやつにプログラムからハッキング、クラッキングに至るまでの知識を与えたやつじゃ」

 その言葉に、してはいけないと分かりつつも納得してしまった。


「あ、それからそのクリスさんから伝言。このゲームの発案者はセラフィムって言ってたぞ」

「……みたいですね。俺もさっき砂○け婆様から聞きました」

「ほほほ。楽しみじゃの」


 ディッチたちがクリスと接触したと分かった瞬間、クィーンは楽しそうに目を細めていた。


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