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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
ジャッジの闇

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ジャッジとカナリア


 アクティブスキルがキャンセルになったと分かるなり、ジャッジはギルド拠点から飛び出した。


 名前の時に気がついていたが、やはりクィーンはクリスのことを知っていたのだと。知っていたからこそ、ジャッジをそばに置いているのだと。

「ジャッジさんっ」

 慌てたようにカナリアが追いかけてきた。

「おばばさんは言葉が少なすぎです! おそらくですけどジャッジさんとあの人の関係に気付いたのって、ジャッジさんのプログラムとかを見たあとだと思います!」

「……だろうな」

 いや、その前でもおかしくない。そう言ってしまえば、カナリアはまた何か言い募るだろう。そう思ってジャッジはあえて軽く肯定だけした。

「……ジャッジさん。私にまで(、、、、)偽らなくていいです」

「!?」

「ジャッジさんがギルドから抜けても、このゲームを辞めても、私は()めません」

「カナリア?」

「ただ、一緒にいてください」

 泣きそうな顔でカナリアが言う。


 ジャッジとて、カナリアのそばにいたいと思うが、クリスに近づけたくないというのが本音である。

 もし、これが原因でカナリアとクリスが近づくならば、ジャッジはそれを阻止するためにカナリアのそばを離れるだろう。


「私はっ! ジャッジさんも、おばばさんも大事な人です!! 二人揃って言葉が少なすぎです! それで相手から離れて自分が傷ついてどうするんですかっ!」

 ぽかぽかとカナリアがジャッジの胸を叩く。

「ジャッジさんだって、いつもみたいにおばばさんに言えばいいんですっ! どうしてこんな時ばっかり遠慮するんですかっ! いつからあの人とジャッジさんの関係を知ってたんだって。あの人との繋がりはどんなものなのかって。

 おばばさんも、遠慮なく言えばいいんですっ」

「……カナリア……」

「二人とも、私に『言わなきゃ分からない』って言う割りに、自分が言わないんですよ」

 だからこうなるのだと、カナリアは言い募ってくる。


 いつの間にか、カナリアは強くなっていた。


「あのな、あの砂○け婆様をそんな風に思っているのはお前だけ、……てか他の人だと、あの人が隠してるのは当たり前だと思ってるぞ」

 大半の連中は。カナリアにとって言わないということでは同じらしい。


 まだ自己評価の低いカナリアだが、クィーンとジャッジにはだいぶ遠慮というものをしなくなった。


「……ジャッジさん」

「どうした?」

「私じゃ頼りないのは分かります。だけど心配と『おかえりなさい』は言わせてください」


 カナリアから出た言葉は、ある意味殺し文句だった。


砂吐きそうになりました。

げふ

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