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初心者がVRMMOをやります(仮)  作者: 神無 乃愛
ジャッジの闇

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212/434

クィーンとクリス その1

本日ちょっと短めです。

 全員が揃う中、先日の話になる。

 すぐにジャッジの表情が険しくなる。

「クリスって言ったんだよな。その男」

「……はい」

「最悪だ。何であいつがこれに関わってんだよ」

 カナリアの答えに、ジャッジが頭を抱える。

「お知り合い……ですか?」

「今の状況だとそうだと思うとしかいえない。ただ、俺の知るクリスはゲームプログラマーだから……」


「酷いね。My dear son.(私の可愛い息子は)」

 どこからともなく、その男が現れた。

「お父様、なんですか?」

「違う。実父の知り合いだそうだ。天地がひっくり返っても、こいつと血が繋がっているなんて言わないで欲しいんだが」

 ジャッジの言葉に、クリスがくすりと笑う。

「本当に酷いよ、お前は。お前にプログラムの基礎を教えたのは私だろう?」」

 その瞬間、クィーンが扇子を取り出した。

「ほほほ。自称親か。そしてこのゲームの作り手。……おぬしとかような場面で相見(あいま)えるとは」

「それはこちらの台詞でしょう。『女帝』」


 先ほどまでジャッジと対峙していたはずなのに、いつの間にかクィーンが相手になっていた。

 そして、クィーンの現実世界の別称「女帝」。これを知る者なのだと、クリスは言っているのだ。

「ジャッジを見たときからおぬしと相見えると思うておったからの。予定が早くなっただけじゃ。今も米国(アメリカ)におるのなら、黙っていようかと思うていたが、日本にいるのであらば、いつでも相手するぞ」

 クィーンの言葉に、全員の背筋が凍る。いや、パッシブスキルをわざと(、、、)氷のように凍てつかせているのだ。


 ……そんなスキルをいつの間に……、そう思ったのはカナリアだけではないはずだ。


「相変わらず、遠慮のない方ですね。女帝は」

「I don't want to withhold from you.(お主に遠慮したいなどと思わぬわ)」

「It is a pity.(残念だ)」

 二人の間にかなりの火花が飛び散っていた。


「とりあえず、クィーンさん。茶筅が出来上がりましたので茶を点ててみました。ご賞味を」

 アントニーが唐突に割って入った。



 ログアウトしてから思ったのは、クィーンの扇子かアントニーがお茶を出すタイミングが合図だったのだろう。


伏線回収中です^^;

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