第77話〜誕生会3〜
それではどうぞ
「一気に静かになったね〜」
「あれだけ人数がいたわけだからね…」
みんな帰ったら、そりゃ静かになるよね。寂しい気持ちもあるけどこの静かな空間も嫌いじゃない。
「驚いた?今日のこと」
「そりゃまぁ。そもそも意識すらしてなかったから…」
驚いたし、嬉しかったし。何せ俺は自分の誕生日すら忘れてたから…
「さてさて優成くん、18になった気分は?」
「今まで生きてきて1番嬉しい誕生日だった。こんなふうに祝って貰うことなんてなかったし。」
今年は生きててよかったと思うことが良く起こる。嬉しいことだ。
「ところで、お酒が飲めるようになったけどどうする?」
え?お酒って20歳からじゃ…と思ったが、どうやら成人の年齢が18になってからそこら辺も引き下げられたらしい。…うーん、知らなかった。
ちゃんとニュースを見ようってことだね!見る気ないんだけど……
「うーん…まだいいかな…」
と言うと、予想していたのか海莉が微笑んで
「そう言うと思った。飲みたくなったら言ってね、用意するから」
と言った。さすが海莉。
まぁ1度自分がどれだけ飲めるかの確認はしておいた方がいいだろうし…近いうちに飲んでみるか。
「海莉、ありがとうね」
多分、企画してくれたのは海莉なんだろうと思って言ってみる。
「良いんだよ。苦でもなんでもない…むしろ楽しかったし。けど、もうちょっと早く誕生日なの知りたかったかなぁ。」
なんで教えてくれなかったの?という類の疑問を帯びた視線が突き刺さるけど、何も言えない。忘れてたんだもの。
「来年以降はちゃんと覚えてるようにね。自分の誕生日なんだから」
「努力する。…うん、頑張る」
多分忘れてそうだけどそれを言ったら怒られる気がしたのでやめておく。
「よろしい。これから忙しくなる…と思うし、頑張ってね。」
「え?」
「なんでもない。」
後半がよく聞こえなかったのだが…ほんとに何でもないのだろうか。
「そういえば、綾香ちゃんといつの間にあんなに親しくなってたの?」
「……え?」
「ほら、下の名前で呼んでたし。距離縮まってたし。」
浮気とか以前にそういう関係じゃないんだけど、そんな感じで追い詰められた気がした。
「敬語使わなくてもいいよ〜っていう、ほら、ね?」
「ふ〜〜ん……」
「ちょっと友達として仲良くなっただけで何も無いぞ?うん」
「ならいいんだけどね。……綾香ちゃん可愛いからなぁ」
確かに綾香さんの容姿は整ってるけど…海莉も同じぐらい整ってるじゃん。そんなに気にすることかね。
と言うと、機嫌が良くなった海莉に許して貰えた。……何も悪いことしてないんだけどね、俺。
まあ、それだけ大事にしてもらえてるってことだなと思う。そういうことで納得した。……ちょっと怖かったとか思ってないよ。
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それではまた次のお話であいましょ〜
※次話の後書きに詳しく記載されていますが、これは小説の中の話であって現実は20歳未満の方はタバコもお酒もやっちゃ行けません。気を付けましょう




