第67話〜プレゼントは〜
それではどうぞ!
私は今、もの凄く悩んでいる。
事務所に来たのはいつものことだ。定期的に来て、チャンネルの方針とか今後の予定とかを話し合う大事な会議。
その大事なんだけど会議の内容で悩んでいる…って訳じゃなくて。
「聞いてます?海莉さん。」
「え?うん。聞いてる聞いてる。」
「はあ……しっかりしてください。そんなに悩むことです?あれ」
そりゃ悩むじゃん………だって!だって…!!
彼の誕生日がもうすぐなんだよ…!?
「はいはい、分かりました分かりました。この会議終わらせてから好きなだけ買いに行ってください」
む〜…。…かといって適当に済ませるわけにも行かないし、仕方ないか。
「今日は早めに終わりましたね。では気をつけてください、海莉さん。」
終わったんじゃなくて終わらせたの!頑張ったんだからね!
…こんなことしてる場合じゃない。急がないと!いつもより早く終わったって言っても今の時刻は16時だし。
「いらっしゃいませ〜」
お店にはすぐについた。事務所からすぐの位置に色んなお店があるのは便利だよねぇ。
今回利用するのは服屋さんだ。さりげなく彼に欲しいものをきいてみたのだけど、特に何も欲しくなさそうだった。あの歳頃の男の子って欲しいものぐらいいっぱいありそうなのに……
服かな、っていうのも必要だから欲しいって感じだったし。けど口にしたのは服だったし、服も買っておこうかなという感じだ。
着てみて欲しい服もあったしちょうどいいかなって。
「何かお探しですか?」
「えっと、男の子にプレゼントで…」
「それでしたらこちらにいいものが…」
お、確かに良さそう。…いつも彼が着てる服よりちょっと派手だけど、良さそう。マフラーかぁ…マフラーは……して渡すしいいかな。
「ありがとうございました〜」
買った。他にもちょっとだけ買い物をして家に帰ることにする。
……って、あれ?このまま持って帰ったら直ぐにバレる…よね?自分用のだよって言ってもガッツリ男物だし……
ど、どうしよう!?何も考えてなかったよ〜!!
た、助けて島海さ〜ん!
「事務所に置いておいて、こちらから郵送しますよ。届いた際に上手くやればバレずにすむでしょう。」
て、てんさい!てんさいだ!!それにしよう!!
そうして一旦荷物を事務所に置き(この日までには間に合わせてね!と伝えることを忘れない)帰ることにする。ふ〜、危なかったけど何とかなった!流石は私。
「海莉さん、財布忘れてますよ」
あっ………鞄から出してお会計したあと袋に入れっぱなしだった。いけないいけない。
取りに戻ったあと、忘れ物がないか確認して(させられて)今度こそ家に帰る。……喜んでくれるといいなー!
それではまた次のお話であいましょうー




