第45話〜隠し事〜
それではどうぞ!
「え?」
「だから、なにか隠してない?って」
「どうしてそう思ったの?」
どうして…って言われると、宮島さんに言われたからとしか言いようがない。無理してるとも言ってたし
「も〜…余計な事を…。話せって事なのかな、綾香ちゃん」
後半に関してはなんて言ってたのか微かにしか聞こえなかった。
「…確かに隠してる、けど…」
「けど?」
「あんまり、言いたくないなぁ……」
「…どうして?」
「優成くんには知られたくない」
そう言って俺から顔を逸らす海莉。…うーん。あんまり聞き出すのも良くないのかな、明らかに聞いて欲しくなさそうなオーラが出てる。
「宮島さんが無理して隠してるって聞いたから、もしそうなら言って欲しいんだけど…」
「言わなきゃ…だめ?」
目とか顔とか全力で可愛く言うなって突っ込もうかと思ったけど、結構本気で言いたくないって言ってるのがわかってしまった。
なんでそこまで言いたく…ああ、なるほど。そういうことか。
「…はあ、わかった。わかったけど、無理してたら本気で怒るから。俺に無理するなって言う人間が無理しちゃだめだからね」
「うん。…ありがと。ごめんね」
「それから…別に何を知っても、俺は海莉の事嫌いになったりしないよ」
それだけ言って、俺は部屋に戻る。別に海莉に何があっても、俺が海莉を嫌いになるのは無理だと思う。それとも、知られて距離を取られたり今のように見てくれなくなるのが嫌だってとこかな?
どちらにせよありえない。俺に手を差し伸べてくれた人を見捨てたりする程俺は愚かじゃない。それだけは伝えておく。
さて、試しにちょっと遊んでから案件動画を撮るとしましょうかね。まずは渡された説明書をゆっくり読もうかな!
「…優成くん。」
「ん〜……」
説明書を読んでゲームをプレイしたのはいいが、これを上手くプレゼンするとなると難しいな…
ゲーム自体はそこそこ面白かったし、書かれていたようにストーリーはかなり良かった。ガチャもあるし、その辺は一般的なスマホゲームとあまり変わらない気がする。
ただ、だからこそ上手く伝えられるかどうか悩むわけで。ゲームそのものは良くても俺の伝え方が悪ければ良さが伝わらないわけだし。
ん〜……
「どうかしたの?」
「いや、これがね…」
「あ〜、どうすれば上手く伝えられるか悩んでるの?」
「そうなんだよ…ね?って、うわっ!」
い、いつの間に…!?
「ついさっき。帰ってきて2時間ぐらいず〜っとこもってるんだもん。お風呂の準備できたよ?」
「え、もうそんなに時間経ったのか。ありがとう、すぐに入るね」
「私はもう入ったから、ゆっくり入っといで」
なるほど、それで髪の毛からいい匂いがしてきたわけか。
「ん、わかった。ありがとう、じゃあゆっくり入らせてもらうね」
今日はカラオケで体力使って知らない人とあって、色々と疲れた。お風呂で疲れを癒すとしようかな…
それではまた次のお話であいましょ〜




