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第44話〜豪華な食事〜

それではどうぞ!

「うお…すご…」


あの後世間話をいくつかし、みんなでいくつかのカードゲームをしていた所お腹が空いてきたので、食事を用意してもらえることになった。


遠慮無くどうぞ、という宮島さんとほんとに遠慮しないで食べよう?と海莉が言ってくれたので食事の用意された部屋に来たのだが……


「久しぶりに来る海莉と、その海莉が気に入った殿方が来るとの事なので実は前もって準備させていました。驚いてくれて良かったです」


いやどっかの貴族の食事会…?と驚いていると俺の手を海莉がとってさっさと席に座らせた。その隣にちゃっかり自分が座っている。…というか海莉に驚いている様子がない。何回も来てるのかな?


「どうぞ、召し上がって。」


「ありがとうございます。いただきます。」


「いただきます。」


目の前に置かれている…なんだこれ、鳥の丸焼きかな?から食べる。…うん、美味い。何故に丸焼き?と思わないでもないが細かいことは気にしないでおこう。


だってでっかい机にいっぱい色んな料理が盛られてるんだもん。しかも肉だけじゃなく、野菜なんかもちゃんとしっかりしてある。うん、美味しい。


「…ふふ、そこまで美味しそうに食べて貰えると嬉しいですね」


「優成くん、すごく美味しそうに食べるよね。作り甲斐があるんだよね」


「これだけ食べて貰えれば作り甲斐もあるでしょうね。テーブルマナーもしっかりしてますし」


だって美味しいんだもの。美味しいものは美味しいって言わないとせっかく作ってくれた人に失礼だし、美味しそうに食べてもらえるのが作り手からすれば嬉しいというのもよくわかるし。


テーブルマナーは…正直これで正しいのかよくわからないんだが。いつか役に立つかもなぁ〜と調べていたのが役に立ったのなら良かった。あの時の行動は無駄ではなかった。


「食後のデザートも用意してますので楽しみに。それと、食べ切れなくても使用人たちのご飯に回せますのでお気になさらず」


「なるほど……わかりました。」


使用人の方々も沢山いるのだろうな。これだけの人を雇えるってすごいな…



「ご馳走様でした。」


「ご感想の程は?…と言っても聞かなくても分かりますが」


「凄く美味しかったです。こんな豪華で美味しい料理、他にあるのかな…ってぐらい。」


「あら、良かった。…さ、デザートでも食べながらおふたりのお話を聞かせてください」


話って言われてもな……何を話せばいいんだろう?

そう思ってちらっと横の海莉を見る。すると何かの合図だと思ったのかなんなのか、海莉が1つ頷いて俺と海莉が出会った話から始めた。


「…って言うわけなんだ。」


「なるほど。…そこまで酷い人がいるとは。許せませんね」


「ほんとにそう!初めて会った時の優成くんなんて壊れかけだったもん。流石に心配で…」


「それを修理したのが海莉ですか…」


「人を機械みたいに言わないで…」


「あのまま言ってたら本当に機械みたいになってたでしょ?感情滅びる手前みたいな顔してたし…今もよく我慢するし…」


「心配かけたくないだけだ。いつもバレるけど…」


何も無いように振舞っててもいつもすぐバレる。観察眼が恐ろしいんだよな。


「女の子は好きな人に対してはとても鋭いですよ。特に海莉は」


「なるほど。気を付けます」


直しなさい!と言われてみんなで笑う。そんな何でもない話を2時間も続けた後、そろそろ帰らないといけない時間になった。


「じゃあね、綾香ちゃん。」


「ええ、また会いましょう海莉。…あの件はお任せ下さい。」


そう言うと、海莉がお願いね!といい先に歩き出した。まずい、置いてかれる。


「ありがとうございました。では!」


「あ、その前に。…海莉の事を、お願いしますね?出来れば逃げずに支えて上げて下さい。あの子、ああ見えて結局無理して隠してますから」


凄く切実そうな、心配した目をしている。そんなに無理させてたのかな…


「…わかりました。俺も支えてもらいましたし、できることは頑張ります」


満足そうに頷く宮島さん。最後にお辞儀して、海莉を追いかける。


…帰ったら、ちゃんと聞いてみようかな。

それではまた次のお話であいましょー

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