第41話〜歌姫…姫?〜
それではどうぞー
「かっこいいなぁ…」
「恥ずかしいから心の中に留めて…」
そんな顔で言わないでくれ。勘違いを起こしたらどうするんだ。
「え〜……だってかっこいいんだもん。」
「はいはい、わかったからその辺にして」
む〜…なんでわかってくれないの!と言われるが知らん。認めたらダメな気がする。
「あ、そういえばさ。今回反響が良かったらまたこうしてリアルでコラボするのはありですねってマネージャーさん言ってたよ」
あ、そうなのか。それは知らんかった…っていうのも良くないんだろうけど知らなかった。
「見てた感じ反応は結構良さそうだったけどどうなんだろうね」
「見てた感じ反応は結構良かったし大丈夫なんじゃない?…今日みたいな感じでやるのは初めてだったから反省点もあるけど」
それは帰った時!と言う海莉。うーん、こうやって真面目な所がいい所なんだろうな。
いつの間にか歌い出した海莉を見ながらこの時間がいつまでも続けばいいのになぁと叶わない願いを抱いてしまう。
「…どうだった?」
「歌姫だよね、海莉。歌上手いのはもちろんだけど歌ってる時の姿綺麗だし」
その辺のアイドルより可愛さがあるよね。アイドルの服とか似合うんじゃないかな?…そっちよりは大人びた服の方が似合ってるけど
「ありがと。…歌は、ずっと練習してきたから」
それだけ努力したんだな…と思い、ふと違和感を覚える。なぜか、ずっと練習してきたからの言葉に暗さを感じたのだ。
言葉通りの意味以外に何かが込められていそうだし、ちょっとだけ顔が暗くなってる海莉。…本当は聞くべきかもしれないが、無理して聞くのはな。
「そっか。…ところで、この後どうする?確かどっか行きたいところがあるとかなんとか言ってなかった?」
「あ、そうだったそうだった!私のお友達が会いたいらしいからちょっと会う感じかな。優成くんも一緒でいいって言ってたけど…どうする?」
嫌なら来なくてもいいよ?と言ってくれる。おそらく気を使ってくれたんだろう。あんまり人得意じゃないし
「んー…」
海莉とお友達との時間を邪魔するのはなぁ…でも1人だと暇だしせっかく言ってくれてるしなぁ…と揺れる。
「そんなに悩むぐらいならおいで?悪い子じゃないし…」
ちょっとびっくりするかもだけど…と言われる。え?そんなに個性的な方なのか?違う?そういう意味じゃない?どういうこと…?
「そう言われると気になるし…わかった」
「やった!これで綾香ちゃんからのミッション達成」
ぼそっと言っても聞こえてますよ。ミッションってなんだミッションって。
「内緒。…(優成くんなら、きっと見捨てないでくれるよね)」
小さく何か呟いた様だが俺には聞こえなかった。首を傾げる俺に、いいから歌うよ!と言ってマイクを持たせ歌っていく。
…ま、海莉が元気になるならそれでいいかと思い直し歌に参加する。なおこの後2時間はぶっ通しで歌ったため、流石に喉が痛くなったのだった。
8月中にブクマどこまで行けるんでしょうか…行ける所まで行きたい
それではまた次のお話であいましょ〜




