第409話〜メリークリスマス〜
ちょっと遅れたあぁぁぁぁ!!!!
メリークリスマス!!!
「起きて〜海莉。起きないと悪さするぞー」
映画が終わったため海莉を揺らして起こしにかかる。
寝かしててもいいんだが今日はせっかくのデートなんだから起きて欲しいしな……ほら、起きて。
「ん〜……やあ」
「やあって言われても」
ん〜…これは当分覚醒しなさそうだな。仕方ない、強引に起こすしかないか。
そう考え、未だぼんやりとしている海莉に向けて…
「ん〜……っんっ……」
キスした。こうした衝撃を与えてやればびっくりして目が覚めるだろうって判断だが果たしてどうだろうか。
「…んんっ、んっ!!」
「目は覚めたか?」
コクコクと頷いている海莉を見つつ離れてやる。
「……寝てた?よね?」
状況の把握が出来たようで俺にそう聞いてくる。
「バッチリな」
「ごめんね」
しょんぼりしてそう謝る海莉。…いや、そんなに落ち込まなくても大丈夫だから。
気にしてないし、せっかくなら起きて欲しいなってだけだし。これから楽しめばいいから、な?
それに海莉が寝てる間…映画を見てる間に雪が結構激しく降ったからな、もう積もってるんじゃないか?
「え、ほんとだ…!凄い!」
窓を開けてみるとそこには1面の雪景色…!とまでは行かないものの、充分遊んだり雪だるまが作れそうなぐらいには積もっている。
まだまだ雪の勢いは強いからもう少し落ち着いたら外に出てもいいかもな。
その頃にはもっと積もってるだろうし…まぁ安全には充分気を付けなきゃ行けないが。
何にせよまずはご飯かな。時間的にもちょうどいいし、少しは吹雪が弱くなってるから食べ終わる頃には止んでるんじゃないか?
「だね……ご飯作ろっか!」
「だな。…行こうか」
そうして2人仲良くご飯を作り終わり食べ終わった頃には案の定雪が降り止んでいたので昼からは着替えて雪だるまを作りに行くことにする。
ちなみにお昼ご飯はチキンだった。クリスマスらしい料理だったね。……鳥の丸焼きだったけど。
まあ焼いてる間キャッキャしてて楽しかったけど。夜ご飯の時も楽しみだね〜
「う〜…流石に寒い!」
「雪降ってたもんな。」
そう言いつつ庭に移動する。……普段は誰か来た時にBBQするぐらいであんまり使ってない(手入れはしてある)庭だがこういう時はあって助かるよな。
「雪だるまつく〜ろ〜」
「ドアを開けて〜」
今でも有名な懐かしい曲を歌いながら雪だるまを制作していく俺達。
「…ちょっと大きめのにする?」
「せっかくだしね。作れる範囲で大きくしてみよう」
実際どこまで大きくできるのかは分からないが……やれるだけやってみたいしな、大きくしてみよう。
こうなると雪だるまの顔を作るための道具を買ってないのが悔やまれるなぁ……
「ころころころ〜っ!優成くんパース!」
「…っと!海莉ぱーす!」
2人して雪玉を転がしあって大きくしていく。最初は小さかった雪玉だが転がしていくうちに大きくなっていく。
無言でやってる時もあればしりとりしながら転がしたり……気付けばあっという間に下側部分の雪玉は出来上がっていた。
「これぐらいなら充分じゃない?」
「むしろちょっと大きくなりすぎかも…」
確かに。調子に乗って雪転がしまくってたから庭の雪はもうほとんどない。
……と言っても上側部分だから下よりは少なく済むしギリギリ何とかなりそうだが。
「あとちょっとだね!手冷たいけど頑張ろ!」
そのままもうひと頑張りして上側部分も完成させていく。
途中やはり足りなくなったので道路側から拝借してきたりして色々あったが……
「そろそろいいんじゃない?」
「そうだな。……せーので乗せよう。せーの」
慎重に慎重に……落ちないように乗せていく。ここで崩れたりしたら全部台無しになるからゆっくりと、だ。
「乗った!…やった!出来たよ!」
「ああ。……雪だるま完成だな」
何とか完成した雪だるま。そこそこでかく出来たな。
「記念に1枚撮っとくか?」
「うん!……寄って寄って!」
せっかく2人で作ったんだし、溶ける前に何か形に残しておきたいと思い提案すると受け入れてくれた海莉。
サッと家から自撮り棒を戻ってくる。そしてそのまま写真撮影モードへ。
せっかくだし掛け声も今日風にしようか。…じゃあいくぞ?
「じゃあ……メリークリスマス!」
「メリークリスマス」
誤差の範囲ってことで何卒
それではまた次のお話で会いましょ〜




