第387話〜魔王会議〜
それではどうぞ
「うーーーーん……」
誕生日会やその後のイベントが終わって少しした頃。
そろそろ落ち着いてきたから前から思っていたことでも実行しようかなと考えていたのだが……
困った困った、全く思い浮かばない。…いや、どういうものにしようかとかそういう大まかな事は決まってるんだけどな?
でもほら、他と同じことしても注目は得られないと言うか…目新しさがないわけで。
その辺までしっかり考えなきゃやっていけないのがこの世界……厳しいね。
とは言えすぐに思い付くなら誰も苦労してないわけで。そう簡単に目新しさなんて思い浮かばねぇ…
いや、1個思い付いてるのがあるにあるが。それは最後の手段として。
やっぱり一旦はシンプルにみんなやってる事をやってみた方がいいのかな〜?最初から思い切ったことしても成功しなさそうだしなぁ。
「うーん、難しルベルっ!?」
色々と悩んでいるといつの間にか隣に来てた海莉がキンキンに冷えた飲み物を俺のほっぺたに押し付けてきた。
「冷たっ!」
「私の言葉を無視した罰です」
ちょっと膨れながらそっぽ向く海莉。……そんなに気付かなかった?
「ずっと声掛けてたよ?」
「それはごめん…」
怒っている海莉を抱き寄せて頭を撫でる。ごめんな、海莉。
「最近の優成くん、頭撫でてればいいって思ってない?」
「思ってない思ってない」
「……嬉しいから良いけど。」
良いのか、それで。
「それでー?何悩んでたの?」
「この前言ったやつ」
「あーーー……」
何の話かすぐに察したようで納得の表情を見せる。
「そんなに深く考えなくても大丈夫だよ?」
「やっぱり最初はシンプルな方がいいか…」
ならやっぱり最初思い付いてたのでやってみるか……
ただこれだと、俺は主催側だから参加出来なくなるのがちょっと寂しいんだよな。
ま仕方ないか…
「出ればいいじゃん」
「…は?」
「だから、出ればいいじゃん。何なら「私を倒していけ!」位でいいんだよ」
なるほど……RPGに出てくるラスボスのような感じか。
確かにその方針なら出ても問題ない…むしろ出た方がいいな。
そうすれば少なからず見せ場になるし、こっちの配信も緊張感があって盛り上がるだろう。いいアイデアだな、流石海莉。
「魔王みたいにドーンと構えてればいいのよ〜」
「そうか……分かった、ありがとう海莉。」
「どいたしまして。楽しみにしてる!」
ああ、楽しみにしててくれ。…というより海莉は退屈にはならないぞ。俺が狙われるって事は海莉も狙われるからな。
「私も?」
「もちろん。」
さあ、楽しくなってきたぞ。……よし、やると決めたからにはさっさと行動しよう。
まずは人集めだな!
それではまた次のお話で会いましょ〜




