第379話〜線香花火大会〜
それではどうぞ
「じゃあ付けるよ!」
全員同時に線香花火に火を灯す。……ここから最後まで残っていた人の勝利。
さっきチラッと耳にしたがあまり揺らさない方が良いらしいので腕を固定して動かさないようにしておこう。
「いざ…!」
「持ってくれよ頼む…っ!」
この戦いに命でもかかってるのかと思うぐらい真剣な方もいらっしゃいますね。
と、線香花火の方は最初はぱちぱちしてたものの次第に小さくなって大人しくなってしまった。
この状態でも火がついてるからセーフってことなのかな。この状態でどれだけ持つか勝負って事かね?
にしても…こうやって全体を見てみるとかなり綺麗だな。
皆で線香花火を持ちあって楽しんでるなんて…1年前の俺は想像出来ただろうか?
「あー落ちちゃった!」
六花さんが何やら叫んだのでそっちを見てみると線香花火の火が無くなった所だった。
なるほど、これ落ちるのか。そういう感じね。
「あ、終わった」
だからゆらさない方がいいんだなーとか思っていると揺らしてないのに普通に終わってしまった。落ちる時は落ちるんだねコレ。
思ったより長持ちしなかったな…2人目の脱落か。優勝出来なくてももう少し粘りたかったな〜
「海莉頑張れ」
「頑張る!」
早々に脱落してしまったのであとは応援する側に回るとしよう。頑張るも何も運だとは思うが。
「私はこれで終わりですわね。」
いつの間にかかりんさんも終わってた。てことはあと3人か…もう半分も脱落したのか。
「残り半分、誰が勝つのやら」
「言い忘れたましたが、勝った人には景品がありますから頑張ってくださいな」
「えっそうなの!?」
何それ、何も聞いてなかったんだが……景品あるのかよこれ。
てことは俺と六花さんはもう景品貰えないって事だな?せめて先に言って……貰っても変わらんか。
「大会ですから。…ま、そんなにいいものでもありませんよ。ちょっとした物です」
なるほど…なんであれ景品はちょっと気になるな。この調子だと直ぐに分かるだろうが……おっと?
「あ〜くっそ!ダメだった!」
次に脱落したのは大也君だった。優勝出来なかったことを本気で悔しがっている。
「ダメだったね」
「結構持ったんだけどな」
六花さんが帰ってきた大也くんに声をかけて落ち着かせている。
「あ…だめ、もうちょっと頑張って!」
ふと陽菜さんの方からそんな声が聞こえたのでそっちを見てみると既に陽菜さんが持っている線香花火の方が落ちかけだった。
対して海莉の持ってる方はまだ余裕がありそうな感じ…てか海莉の持ってる花火だけまだまだ火の玉大きいし。
とはいえ逆転の可能性が無いわけじゃないしな、ここから海莉が負ける可能性だって
「あーダメだったああ!」
無かった。普通に海莉が勝ったわ。…とりあえず声掛けに行くか。
「おめでとう海莉」
「ありがと!まだまだ余裕だよ!」
「それ何時まで持つの?」
「んー…あと1分は持つんじゃない?」
いや長いな…結構ぶっちぎりで1位じゃないか。せっかくだし何分持つかしっかり見てみよう。
「結果発表〜!」
あれから2分経過して海莉の線香花火も尽きたので、いよいよ結果発表の方に移ることに。
まぁ全員結果は分かってるけど一応な。
「第3位は大也くんですわ。おめでとう」
「いやー悔しい。…今度リベンジしたい」
相当悔しかったんだな大也くん。…まぁ俺もいい順位ではないしリベンジできるならしてみたいけど。
「第2位は陽菜です。惜しかったですわね」
「結構差があったけど!楽しかった〜」
陽菜さんは純粋に楽しんだようだ。…さて、残るは1位だが…
「1位は海莉ですわ、おめでとう。…これが景品です」
「ありがとう!…開けるね!」
1位は結構なぶっちぎりで海莉だ。何せ2位と2分離れてるわけだからな。よくあれだけ花火持ったよ。
で、本題の景品だ。一体何が入ってるのかだが…
「えっ、これ!?」
それではまた次のお話で会いましょ〜




