第378話〜手持ち花火〜
それではどうぞ
「ちょっと暗くなってきましたわね」
BBQも食べ終わり片付けも終わった頃、陽が沈んですっかり暗くなってきた。
結構な時間話してたんだな俺ら。まぁまだまだ続きますけど。
「そろそろ準備するね!」
そう言って六花さんと海莉が準備に向かう。俺も行こうとしたのだがちょっと休んでなさいと言われてしまったので大人しくしておく。
とはいえ重いものを運んでくる作業もあるんだけどな……まぁ疲れたし休ませてくれるなら助かるんだけどさ。
と、無駄に心配していたのだが問題なく六花さんと海莉が準備してくれた。
「じゃあ始めちゃおっか!」
「花火大会〜!」
夏の夜の代名詞…と言っていいかは知らないが、BBQのあとは花火大会だ。
と言ってもこの間の夏祭りのような花火ではない。この時期ホームセンターとかに売ってある手持ち花火を皆で楽しむ感じだ。
線香花火とかね。…まぁこれは最後でいいかな。
こうしてみると手持ち花火の方も種類が色々あって困るなぁ…どれにしようかな…これにしよう。
「お〜っ。」
選んだ花火は3色に色が変わっていくらしいが…おお、ほんとだ変わってる!
最初はオレンジの火花だったのが段々と青に変化して行ってる。
最終段階の変色が分かりにくかったが…なるほど、徐々に色が変わるって面白いな。
お次は……なんだこれ?手に持ちにくい筒状だが…
「それ地面に置くやつ」
「はーなるほど……」
手持ち花火とは?と聞きたくなるがまぁお手軽にできるから似たようなもんか。
となると周りを巻き込まないように多少離れて付けてみよう。上に向かって火花が登っていくだろうからな、もし火傷したら大変だし。
というわけで火をつけて地面に置く。…すると結構な勢いで火花が上に吹き上がっていく。
おー…中々派手だけど思った感じじゃ無かったな。これはそんなにだったから別のやつにしよう。
「もうちょっとカラフルだったらね〜…こっちの方が楽しいよ」
海莉に手渡された花火に火をつけてみる。…と、バチバチと弾け出していく。
おお、これは結構派手だな。こういうのはやってて楽しくなる。
ただ意外と終わるのが早いな。……花火によって全然違うんだな〜。
「手持ち花火も綺麗だよね」
「楽しいしな。」
やったことなかったからどんな感じか分からなかったが…結構楽しい。
みんなでわいわいとはしゃぎながらやってるからってのもあるとは思うけど。
と、そう言いながら俺が火をつけた花火に海莉が花火を持ってきて火をつける。
「え、そんなこと出来んの?」
「火だもん」
ごもっとも、火だもんねこれ。そりゃつけれるわ。
その後も海莉や他の人と共に花火を楽しんでいたが10分程して線香花火以外の花火を全て使い切ってしまった。
という事で……遂に最後の花火を灯していこう。
そういや、線香花火は何か対決で使うって言ってたような……?
「線香花火誰が1番長いか対決だね!」
「勝った人が今日の勝者ですわね!」
なるほど、線香花火を同時に灯して最後まで残った人の勝利って事か。
ほぼ運なんじゃないか?これ。まぁいいか、やってみよう!
それではまた次のお話で会いましょ〜




