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第373話〜お騒がせ組〜

それではどうぞ

「ふっふ〜ん。どんなもんよ!」


「すごーい!」 「まじかよ……」


人混みだったから大変かと思ったら意外とそうでもなく直ぐに大也くん達の元まで到着した俺達。


急ぎたいとはいえ海莉に無理させる訳には行かないからすんなりなのはとても助かる。


「…………………で、何?これ」


人混みを抜けた先にあった光景は……握手や撮影会、などではなく。


射的をしている大也くんと六花さんにギャラリーが驚いている光景…というか、やばいものを目にした時の反応だろコレ。何したの?


「え?ああ…射的が楽しくてつい」


「景品いっぱいとっちゃって…」


そう答える2人の視線の先には…お菓子や玩具等の景品が山になって置かれていた。


いやいくらなんでも取りすぎじゃないか!?流石にこの量は無理だろ?!


「取ればとるだけすごーい!って言われるから調子乗っちゃった」


「何回やったの?」


「4回……」


気まずそうにそう答える六花さん。……いやいや、4回で取れる量超えてない?これ。


いくら1回のプレイで5発撃てるからって取りすぎな気が…


「そこはほら…1回で2個取れるし」


「いや…うん。とりあえずおかしいのはわかったからその辺にしなさい。」


これ以上は店にも他の人にも迷惑かけちゃうからな。……ってもう充分迷惑か。


「そ、そうだな。この辺にしよう。おじさんすみません」


「そうだよね!この辺にしておこっか!…す、すみません!」


謝りつつやめる気になってくれた2人。良かった、これでまだやるって言われたらどうしようかと。


流石に2人に全部景品取られたら申し訳ないもんな…


「ま、まいどぉ……」


ほらみろ、店主さんですら放心してるじゃないか。普通怒るよ?


「ちょ、ちょっとやりすぎちゃった……あはは」


「…まぁ、無事で良かったけど。それ1回車に置きにいこうか」


何かあったのかと思って焦った気持ちを返して欲しいわ。…何も無かったから良かったけどさ。


「心配かけちゃってごめんね。…私達で行ってくるから鍵貸してもらえる?」


「流石に2人に無駄に時間使わせるのはな…」


それぐらいは気にしなくても良いのだが……いや、お言葉に甘えさせてもらおう。


少し海莉を休ませたいしな。それに今から射的やる気にもならないからちょうど良かった。


鍵を渡して海莉を座れる場所まで連れていく。途中で飲み物買える場所があったのは助かった。離れなくていいからな。


「ほら、ちょっと休もう。」


座らせて飲み物を渡す。……慣れない靴だと歩きにくいだろうし適度に休ませないと。靴擦れ起こしたりするかもだし。


「冷たっ。」


「氷でキンキンに冷やされてたからなぁ」


よく冷えた炭酸って美味しいよね。特にこう言う暑い時は尚更。


「…そろそろ花火上がるから場所行く?」


「そっかもうそんな時間か…」


まだまだ時間はあると思ったんだが…早めに移動しておいて損は無いか。


もう少し休んだら行こうか。…よく見える場所は予め聞いておいたから探す必要はないしもう少し余裕があるはずだ。


「後でお礼言わなきゃ」


「そうだな…」


教えてくれたかりんさんに感謝だ。…そういや今日の花火も何処かで見るらしい。運が良かったら会えるかもな。


「そろそろ行けるよっ」


「おっけい。…じゃあ行こうか。」


手を繋ぎ直して聞いていた場所に向かう。…さて、ここからが本番だな。

それではまた次のお話で会いましょ〜

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