第372話〜スーパーボール〜
それではどうぞ!
「お…あったぞ、ボールすくい」
歩くこと10分。ボールすくいや射的を探して歩き回っていたものの見つからなかったのだが、ようやく見つけることができた。
金魚すくいならあったんだけどね。金魚は持って帰っても飼育出来ないからやっちゃダメだし。
後は亀すくいとか言う未知の屋台が存在してた。話には聞いたことあったが今でもあるのね、亀すくい…無くなったかと思ってたよ。
「やろっ!1回お願いします!」
「お2人で?まいど〜」
そう言ってすくったボールを入れておくための皿とボールをすくうための…………これなんて言うんだ?
「ポイだよ。ポイ。」
「ポイって言うのか……」
よく知ってたな海莉。…まあこのポイも貰ったのですくっていく。
目標は……そうだな、2つぐらい取れたらいい方か?結構破けやすいイメージがあるしな。
ゆっくり…濡れると破けやすくなりそうだからあんまりつけない方がいいのかな?
どれをとるかちゃんと決めて……すくってみる。
が、直ぐに破けてしまいすくおうとしていたボールは直ぐに落下してしまう。
その後も穴の空いている所を避けてやってみるが瞬く間にポイがダメになってしまった。
やっぱりそう簡単には出来ないか〜……
「見ててね」
そう言って海莉が挑戦していく。…俺の時とは違って鮮やかな手つきでボールを拾っていく海莉。
そのまま6個ほど拾ったところで破れてしまったが、6個も拾えれば充分だろう。…凄いな、海莉。
「コツ…って言うか、やり方があってね。先っぽじゃなくて根元の部分を持つとか、水流に逆らわないとか水に一気につけるとか…」
そうなのか?てっきり水に付けると脆くなってダメなのかと…
「部分的に付けちゃうとそこだけ脆くなるでしょ?そしたらそこから一気に破けちゃうんだって。だから一気につけちゃうことで重さを分散するんだよ」
なるほど…!そうなのか……
「というわけで、今のを踏まえてもう1回やってみよ?」
そうだな…せっかくなら自力で取りたいからな。ちゃんと教えられた通りにやればひとつは取れるだろう。
というわけでお金を払ってもう一度やってみる。まずポイをちゃんと持って……
最初に水に付けておく、と。でとる時はこの角度で…水流に逆らわない、っと!
思い切ってすくってみると今度は破けずにひとつすくうことが出来た。
「おー!凄い!やったじゃん!」
「良かった取れた…」
その後2つ目もとることが出来たが、そこでポイが破れてしまったため終わることにした。
まぁ2つも取れたから満足したけど。ありがとう海莉、おかげで楽しめたよ。
「どういたしまして。…頑張ったね!」
お陰様でね。…スーパーボールをすくうだけでこんなに楽しめるとは思わなかった。
「射的もやろうね!楽しいから」
「やりたいね。」
是非ともやってみたい。射的も難しそうだけど…
「……ね、あれ」
ん?どうした?何か欲しいものでもあったのか?
「そうじゃなくて。ほら」
「……あれって大也くん?と六花さん?」
辛うじて見えた姿はあのふたりのものだが……なんだってあんなに人に絡まれてるんだ?
…っ、まさかバレたのか!?だとしたら助けないとまずいな…
「ん、行こ!」
「もちろん!」
何も無いならそれでいいが……無事でいてくれ!
今どきかめすくいなんて実在してるのだろうか…無さそう。
それではまた次のお話で会いましょ〜




