第365話〜プレゼントは指輪〜
それではどうぞ
「これ全部作ったの!?すごーい!」
泣き止んだ六花さんがテーブルの上に並べられた料理をみて叫ぶ。
…まぁ、普段料理しない大也くんが作ったとは思えない出来だからな、そういう反応にもなる。
「手伝ってもらったけどね」
あくまでお手伝いしかしてないからほとんど大也くんの実力だよ。
初回と比べて見違えるように上手くなってたし。
「ま、まあまあ食べて」
照れ隠しかのように急かしている大也くんを横目にみんな着席する。
いただきますと皆で手を合わせて……まあ、まずは六花さんからだよな。
六花さんはまず唐揚げを手に取って食べた。お味の程はいかがだろうか…
「ん!美味しい!完璧じゃん」
良かった、お気に召してくれたようだ。大也くんから好みを聞いたり実際に作った時に味を調整した甲斐があったかな。
最も、調整で頑張ってたのは大也くんだけど。めっちゃ真剣に考えてたからねこの子。
「良かった〜……」
そう安堵の声を上げる大也くん。不安になるよね、わかるわかる。
「……ふふっ」
「…何?」
「なんでも。」
愛おしいものを見る目で大也くんを見る六花さん。抱きついていちゃつけばいいのに…って今食事中か。
「みんなも食べて食べて」
「お言葉に甘えて」
六花さんの一言でみんなが一斉に食べ始める。途中で色々とハプニングがあった(まあ見てる俺達からすれば微笑ましいものだったが)ものの、料理はかなり満足してもらえたようで瞬く間に完食した。
「美味しかったー!ご馳走様でした!」
「お粗末さまでした。」
さてさて、ご飯を食べ終わったのでいよいよ本日のメインのひとつ…プレゼントだな。
「じゃあ早速俺から行くね」
今回はまず初めに俺からプレゼントを送らせて貰おう。
今回六花さんに送るものは……
「おめでとう六花さん」
「ありがとう!……スマートウォッチだ!」
六花さんが欲しいと言ってた奴がこれだったからな。とりあえず最新機種にしておいた。
是非とも有効に使ってくれ。
「じゃあ次は私だね!」
私からはこれ、と言ってプレゼントを差し出す海莉。俺も海莉がなにを送るのかは知らないんだが果たして……
「…これって、うわぁすご!可愛いー!」
メイク用品…か?なるほど、海莉らしいな。ちゃんと六花さんに合うものを用意したんだろう。
結構有名なメーカーのものらしく六花さんは喜んでいる。流石だな。
……っと。割とすんなり進んできたが遂に大也くんの番だ。
正直は話、今日のプレゼントは俺も海莉も前座でしかないからな。
頑張れ大也くん。負けるな大也くん。自分を信じるんだ!
「……あー、誕生日おめでとう。俺からは…これだ」
そう言って大也くんが差し出したのは……指輪だ。
「えっ…指、輪?」
「…婚約指輪、まだだったからな。…六花と一緒に生きていたい。幸せにしたい。結婚してくれ」
ストレートに気持ちをぶつけて告白した大也くん。
その答えは……
「…うん。もちろんだよ。」
もちろん、ちゃんとOKだった。
それではまた次のお話で会いましょ〜




