第351話~ナンパ~
それではどうぞ
「おー広い!」
「50メートルプールだからね」
50メートルもあんのかこれ……そりゃ大きいわ。学校が25だからちょうど倍?
泳ぐには丁度よさそうだな。
「泳げるの?」
「そこまで上手くはないけどね。」
普通程度には泳げるよ。バタフライとかは無理だが……
「す、すごいね」
「もしかして海莉、泳げない?」
「ち、ちがうもん。ちょっと苦手なだけだもん」
ちょっとは泳げるもん、という海莉。…苦手意識があるのか。
泳げばするが苦手ってことかな。そんなに心配しなくても人間誰しも苦手なことはあるんだから気にしなくていいだろうに。
となるとあまり泳ぐのは良くないか。海莉を放っておくことはしたくない。
…ふむ、流石にここだと浮き輪みたいな遊具の類は使えないな。
適当に2人でゆっくり泳ぐか?
「じゃあ私逃げるから、捕まえてねっ」
「鬼ごっこか?」
「捕まえられたらご褒美あげるねっ」
そう言って逃げ始める海莉。……ご褒美か、なんであれやる気が出るな…ってあれ??
海莉普通に早くない!?泳ぐの苦手なんじゃなかったのか!?
見てろよ、直ぐに追いついてやるからな!
「………………やっと、つかまえた」
「捕まっちゃった~っ、て優成くん大丈夫?」
大丈夫なわけあるか……30分ぐらい鬼ごっこしてたぞ。
しかも海莉普通に早いし。苦手なんじゃなかったのか?
それにもう少しで捕まえれる!ってところで必ず海莉が妨害してくるんだよな。主に言葉で…
「何も特別なことなんて言ってないのに。溢れ出る気持ちを伝えただけなのに」
「それだよそれ……」
その溢れでる気持ちに絶妙に妨害されたんだよな。
よし、捕まえられる!って思った瞬間に言われると気が逸れる。その一瞬に海莉は逃げてるし……
「でも必死に捕まえようとしてくる優成くんが可愛いのが悪くない?」
逃げるんだもんだって。…ご褒美も欲しかったし。
「でも運動したからちょうどお腹空いてきたね」
「まぁそれは確かに」
時間もいい時間だしご飯食べるか。喉も乾いたしな。
「先に戻ってるから飲み物買ってきて欲しいな~」
「了解。…気を付けろよ?」
「分かってるよ、大丈夫。」
ナンパされないようにな、と海莉に告げて一旦別れる。
とはいえ海莉のことだから絶対ナンパされるんだよな。さっさと合流するためにも飲み物素早く買わないとな。
飲み物は……メロンフロートでいいか。夏っぽいし。
2人分頼んで荷物を置いてある所まで戻る。急ぎつつ、零さないように……
先を目指していると、2人の男が海莉に話しかけてる様子が目に入ってきた。
……ああ、やっぱりか。絡まれてるなー海莉。心配しすぎかもしれないがこうなるから1人にしたくないんだよな。
「お待たせ~海莉。知り合い?」
「ううん、全く。」
ま、そうだよな。一応確認しただけだ。一応ね。もしかしたら知り合いの可能性もあるかもしれないから。
「てわけなんで、さっさとほか当たってもらえる?俺の彼女だから」
「いや……あの」
……はあ。割としつこいタイプのナンパか。
「まだ何か文句ある?」
なるべく低い声でそう言うと、屈辱そうな顔をしながら男共が離れていった。
ほんと、ああいうのは何処にでもいるな。
「ご、ごめんね。しつこくて…」
「……いや、海莉は悪くない。遅くなって悪かった」
「んーん。……かっこよかった!好き!男らしくなってた」
「ありがと。これ飲み物ね」
買ってきた飲み物を海莉の所に置く。……ちょっと色々あったがご飯にしますか。
それではまた次のお話で会いましょ~




