第350話~プール~
それではどうぞ
「あっっつい……」
時刻は10時。開園と同時に入れるように近場のそこそこデカいプールにやってきた。
今は海莉の着替えを待ってる感じだな。…ここで待ってないとナンパされる危険性が跳ね上がるからな。
現に今ナンパして振られてる人居るしね。客が少なくても居るには居るんだな、こういうやつ。
準備には時間がかかるだろうから日差しの中待たなきゃ行けないけど…そんなもん甘んじて受け入れるよ。
「ゆーせーくーん」
「お?…きたきた。」
手を振りながらこっちに走ってくる海莉。……待って、可愛くないか??
「どう?」
「凄い可愛い。…もう、凄い、かわいい。」
「語彙力どうしたの」
いやだって…ね?あまりにも似合いすぎてて可愛いしか出てこなかったよ。
ビキニなのかな、こうして改めて見ると海莉のスタイルの良さがよく分かる。
ただその分他の人からの目線も凄いけど。人の女見てんじゃねぇぞ。
「そんなに喜んでもらえるなんて思わなかった。…昨日の黒いやつの方がいいかなって思ったのに」
「あれは…その、うん。だめ」
「可愛い」
お風呂入りながら見せてもらったがそれを着た海莉の全力の誘惑に耐えきれなくて一瞬で理性が蒸発した。
そもそも耐えきれるわけが無いんだけどね。海莉は終始ご満悦でしたけど。
「うんしょ…っと。」
ちゃんとラッシュガード持ってるのね。…ってまたそれも似合ってんなぁ。
「日焼け止め塗った?」
「塗った」
流石に塗らないと焼けちゃって痛いからね。その辺はちゃんとしてますよ。
…じゃあ行くか。とりあえず荷物置けそうな所探してかな?
「だね。浮き輪膨らませたいし」
「…電動の空気入れとかあるのかな」
「持ってきてるから大丈夫だよ」
流石。…流石に浮き輪ぐらいなら膨らませれるが、それでも楽できるなら楽したいしな。
とりあえず流れるプールとかで遊ぶか?ウォータースライダーはどうする?
「ウォータースライダーは後ででもいいかなって。」
「おっけい」
ここのウォータースライダー結構でかいらしいし楽しみだよな。
その分並びそうだが…それはまぁその時考えればいいか。
良さそうな場所に荷物を置いて浮き輪を膨らませて、プールに着水…の前に。
一応しっかりと準備運動してから入る。これは大事だからな。
「はいろっか」
「うん。……意外と冷たいな」
温水プールじゃないから冷たいのは普通なんだろうけどな。
って、本当に流れてる!凄いな……進もうとしなくても流れるなんて。
「感動しすぎ…って来たことないのか。」
「うん…海莉と来れてよかった。」
「……えいっ!」
しんみりとした雰囲気になりそうな所に海莉が全力で水をぶっかけてきた。
びっくりした……
「……やり返してやる。」
「わっ!」
お客さんがまだ少なく周りに迷惑をかけないことを確認してからやり返す。
「……やったな~?」
「あこら、暴れると落ちるぞ」
浮き輪に乗ってるんだから!こらこら、暴れない!って壁!そっち壁だから!
もう……危ないことはしないでくれ。はしゃいでくれるのは嬉しいけどさ。
そんなこともありつつ、ゆったり話しながらプールを堪能していく。
とりあえず次は……あれだな。
それではまた次のお話で会いましょ~




