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第345話〜七夕編〜

今日は七夕編だけで勘弁してください


それではどうぞ

「七夕?」


リビングで寛いでいると海莉が七夕って知ってる?と聞いてきた。


「そ。短冊に願い事書いて飾るの。知らない?」


いや、流石に七夕という行事がある事は知ってるが……


「馴染みがなくて分からなかったと」


「はい……」


「いつも通りだね〜」


今まで全く関わりがなかったんだから仕方ないだろ…

どうせ「幸せになりたい」って書いたところで無駄だろうしな〜ぐらいにしか考えてなかったし


「優成くん……」


「昔の話。今は幸せだから」


昔の話をすると大体みんな悲しそうな顔するんだよな…

もう特に何とも思ってないんだけどな。


「…で、七夕がどうかした?」


「せっかくだし何か書かない?」


「良いけど…何処でやるの?それ」


別に家でやってもいいんだけど、流石に書いた内容を知られるのは恥ずかしいんだが……


「そう言うと思って!じゃん!」


「なにそれ?」


「近くのデパートがやってるキャンペーン!これなら良いでしょ?」


まぁそれなら全然良いけど。て言うか、だからお出かけ装備なんだな?


「そゆこと。」


「……行くか。」


せっかく海莉が準備してくれたんだし行かない選択肢はない。


てか、今日はまた気合い入ってんなぁ海莉……


「当然でしょ?七夕だもん」


「そんなに重大なイベントだったのか、これ。」


全く知らなかった。前もって言ってくれれば良かったのに。


「そうそう。…織姫と彦星は知ってる?」


「一年に一回だけ会えるって奴か?」


「そう。働かなくなったから神様が怒って会えなくしちゃったってやつ。」


「それ自業自得じゃね…?」


働かないのが悪いんじゃ……素直に働いてれば怒られなかったわけでしょ?


「それいっちゃ駄目じゃない?」


それもそうか。……俺はそうならないようにしなければな。

一年に一回しか会えないなんてのは嫌だからな。


「……大丈夫大丈夫、どこにも行かないから」


「どこかに行っても追いかけて捕まえるよ」


今更逃がすつもりはない。海莉が俺を逃がさないように俺も海莉を逃がさない。


ゆっくりと海莉を捕まえて、抱き寄せる。そして耳元まで近付いて囁く。


「……っ、そ、その…」


「よく似合ってるよ、海莉。」


まだ服装を褒めてなかったからしっかりと褒めておく。

海莉の魅力を最大限引き出せるような服装だ。夏だし涼しめだな。


「着替えてくる。ちょっとまってて」


「……ゆ、ゆっくり」


顔が赤いぞー海莉。…まぁ俺も赤いとは思うが。さてさて、俺も気合いを入れて着替えますかね。

こういう時のためにコーディネートを考えておいてよかったな。


やはり日頃から備えておくべきだな。



「人多くないか?」


デパートに到着して早々そう発言する。こんなもんだっけ?


「そうでも無いよ。平日だし」


最近あんまり人の多いところに行くことがなかったからかね。

確かに平日だし休日に比べたら少ないのかな。


「あ、あったあった。あれ!」


「でっかいなぁ」


吹き抜けになってるところにでっかい笹?木?が置かれてるな。

短冊も吊るされてる。なるほど、これか。


にしてもでかい。流石、わざわざ広告を出すだけはある。


「すぐに書けるけど……どうする?」


「さっさと書いて帰るってのもなんかなぁ」


とはいえ特にやりたい事とかは無い訳だが……どうする?


「ん〜どうしよっか。せっかく来たんだし何か食べていく?」


「そういやまだ何も食べてなかったな。」


もうすっかり暑いし何か涼しいものが食べたいね。


「冷やし中華とか?」


「いいんじゃない?重くないし」


今のうちにサクッと食べてしまおうか。あまり遅くなると混むかもしれないからな…


「だね〜。」


お店の前まで来ていたので素早く入り、ご飯を食べる。

中々に美味しかったな。


そして食べ終わって戻ってきた頃には人が増えていた。

まだ仕事終わりの時間帯じゃないんだがな。流石と言うべきか。


「ちょっと並んでるね」


「平日なのに結構多いな。余程人気なんだなこれ」


「イベントだからね。…所で、願い事はきめた?」


それは勿論、既に決まってる。今の願い事はひとつしかない。


「ふ〜ん。登録者増えますようにー!とか?」


「そういうのじゃないかな。」


もっと大事な願いよ。…そう言う海莉はどうなんだ?


「私も決まってるよ〜。短冊の書き方は分かる?」


「それぐらいはわかる、大丈夫」


「なら後は受け取って書いて飾るだけだね」


短冊を受けとって置かれている机に向かう。ペンは〜……っと、あったあった。


「え〜っと…」


願い事を短冊に記入していく。書く願い事は勿論「海莉と幸せな日々が続きますように、だ。」


正直これ以外の願い事は特に浮かばない。というかこれが1番大事だ。登録者も充分にいるしな。


書き終わったので飾っておく。ちょっと高めの位置に……っと。


海莉の方を見ると海莉も飾り終わってた所だった。

何を書いたんだろうね?俺と一緒だったりして…


「ふふっ、お互いに叶うといいね」


「そうだな。」


多分、海莉も似たような事を書いたのだろう。…確証はないがそんな感じはした。

叶うといいな、お互いに。


「……ずっと一緒だよ」


「何か言ったか?」


「なーんでも!」



それではまた次のお話で会いましょ〜

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