第344話〜リフレッシュ〜
それではどうぞ
「お菓子食べなかったの?勿体ない…」
「いや、食べていいのかなぁって」
「美味しいのよ?あれ」
控え室であらかたいちゃついた後、休憩してると海莉がそう言ってきた。
やっぱ良い奴なんだな。
「持って帰ろうかなとは思ってたんだけど」
「そうしなよ。せっかく準備してくれたんだし」
忘れないうちにとお菓子をカバンに入れておく、…ついでに忘れ物がないかどうかの確認もして、っと。
「あ、私も荷物取ってくる」
「ついてくよ」
俺はもう控え室に居なくてもいいし。そう言って海莉について行き、片付けを手伝う。
そんなに散らかってる訳じゃないが台本が結構な数置かれてるな。
量やばいな……俺とは比較にならんだろこれ
「流石にこれ全部覚えるのは厳しかった」
大体は覚えたんだけどねーと言う海莉。…だいたい覚えてるだけで凄いと思うがな、この量。
海莉は司会進行もやってたからこんなに多いのかな?
「よく出来たなこんな量」
「慣れれば大丈夫だよ。VTRとか見てる時間にこの後何言うか確認できるし」
「時間を有効に使ってるなぁ」
「いる?これ」
いや、俺が貰っても使い道ないし……まあ、一応貰っておくか?
後で海莉がどれだけ頑張ってたか確認したいし。
そう考えて一応貰っておく。家で邪魔になったら廃棄すればいいだけだしな。
「…おっけい!準備できた!」
「帰るか…やり残したことは?」
「挨拶ぐらい!」
なら一緒に行くか。俺も挨拶はしてなかったし。
というか、ダイヤくん達はどうしてるんだろう?
「あの子たちもすぐに帰るはずだよ。片付けはスタッフさんが全部やってくれるって」
「感謝しないとな……」
うちのスタッフさんはいい人達だよ。…それが仕事って言えばそれまでなんだけど、それでも感謝しなきゃね。
「……いいこいいこ」
「なんで撫でられてるのか知らんが、早く行かないと帰るの遅くなるよ?」
愛しいものを愛でるような感じなのは悪い感じしないが撫でられっぱなしだと時間が過ぎていくだけだからな。
そろそろいきますよ。忘れ物ない?…ないね。
「あ、今帰り?」
忘れ物がないか確認してちょうど廊下に出た時、六花さんと出会った。
あら、1人?
「大也はお手洗中。」
「ああなるほど…」
「六花ちゃん達も帰り?」
「いてもやることないし。さっさと帰ってゆっくりしようかなーって」
もう挨拶も終わらせたらしい六花さんと大也くん。早いな〜流石。
「今から?」
「そう」
「じゃあ先帰ってるね。…気を付けてね!」
ちょうど大也くんが戻ってきたな。ナイスタイミングというかなんというか。
そっちこそ気を付けてね!と言って2人を見送る。
その後すぐにスタッフさんやマネージャーのところに行き挨拶を終わらせて、スタジオを後にする。
「ね、今日のご飯食べたいのがあるんだけど」
「うん。それにしてくれ」
考えてるのはきっと一緒だろう。なぜだかそんな確信があった。
あーだこうだと雑談しながら道を進んでいく。寄り道の目的地へは比較的すぐについた。
どこかは……あえて言うまい。
「行く?」
「行こうか」
2人して入っていく。…何気に初めてで緊張するが楽しみでもあるな。
どうせ帰ったらすぐに配信だ、今のうちにリフレッシュしておこう。
それではまた次のお話で会いましょ〜




