第335話ー海莉の帰宅〜
それではどうぞ
「そろそろつくはずなんだけど…」
「ねー、そろそろ居てもいいのに」
さっき新幹線乗ったからこの時間につくよ〜と海莉から連絡を貰ったため迎えに来ている。
ちなみに六花さんも一緒だ。
「いなくね?」
迎えに来たのはいいんだが…居ないな。到着時間結構過ぎてるんだけどな。
何かトラブルでも起きたか?
「……ねえ、あれじゃない?」
「え?」
少し待っているとようやく2人がやってきたようだ。…にしてもよく気付いたな六花さん。
2人とも完璧に紛れててわからなかった。
「ごめんごめん、お待たせお待たせ」
「ちょっと電車が遅れてて!」
「お疲れ様。」
電車の遅れは仕方がない。あ、荷物持つよ。
「ありがと。…多いよ?」
「いいよいいよ。」
こんなのも持てないほどひ弱じゃないからね。最近はちゃんと鍛えてるし。
それに駅からはタクシーで帰るし気にならんよ。
「にしても疲れたな〜…帰って寝たい」
「ふ〜ん。寝るんだ……?」
「ぐらい眠いけど寝ないでおこうかな」
六花さん帰ってくるの待ってたし少し構ってあげないと大変なことになるよ大也くん。眠いだろうけど我慢してね。
「一緒に寝る?」
「海莉が眠いならそうするけど」
疲れてるのは海莉もだろうし、眠いなら寝かせてあげるけど…寝たくなさそうだなぁこれ。
「帰ったらイチャイチャしたいもん」
「ほら、海莉ちゃんもこう言ってる」
「悪かった、悪かったよ」
ああ、なんか海莉が隣にいるの凄く安心する。たった一日離れてただけなんだけどね。
タクシー乗り場についたので二手に別れてタクシーに乗る。
目的地はほぼ一緒なんだけどね。
「つかれた〜けど帰ったらもうひと頑張りしなきゃ」
「まだやる事あるの?」
「ちょっとね。宿題が……」
宿題?……何か企画関連で家でやらなきゃ行けないことでもあるのだろうか。
帰ってきても休まらないねほんとに……
「まぁね。でもほら、企画日ももうすぐだからさ。」
「確かにそうだけど…」
「当日優成くんは遅く来ても良いからね、私たちはリハあるけど」
そうだったな。海莉達はリハーサルがあるからかなり早くスタジオ入りするが、俺は何故かリハがないため遅く入ることになる。
ほんとになんでだろうね、俺主役だよね?
「まあまあ。主役なのは間違いないから」
「よく分からん企画だな」
「ちゃんと優成くんにもメリットあるから拗ねないで」
拗ねてはないし楽しみではあるが……ふむ、メリットか。
そこそこにでかい企画だし、それの主役ってこと自体がメリットと言えばメリットだが……
他にも何かあるんだろうな。それは楽しみだ。
「うんうん。……ところで」
「?何?」
「六花ちゃんと随分仲良かったね?」
…………そうか?まぁたしかに最近話すことが増えたとは思うけど。
「お互いそう言う気は無いのはよく分かってるでしょ?」
「わかってるけどなーんか……」
理屈ではわかってるけど、って奴かな。……大丈夫、俺は海莉しか見てないから。六花さんだって大也くん以外は見ないだろうし。
「最近誤魔化し方上手になったよね?」
「そんなことないさ。……多分」
誤魔化そうだなんてそんなことは思ってないよ。少なくとも今はね。
……他?なんのことだろうね。
それではまた次のお話で会いましょー




