第322話〜誕生日プレゼントin大也編〜
それではどうぞ
「はっぴばーすでーとぅーゆー、はっぴばーすでーとぅーゆー♪」
ご飯も食べ終わりいよいよ誕生日ケーキに灯された蝋燭を消す時だ。
もちろん定番の歌も一緒にな。
「はっぴばーすでーでぃあ大也〜」
「はっぴばーすでーとぅーゆー!」
おめでとうー!と言う俺たちの言葉を聴きながら大也くんが火を吹き消す。
いいね、誕生日って感じだ。
「ありがとう。」
「あ、大也照れてる〜」
「う、うるさい」
仲のいい事で。色々言い合いつつも六花さんはケーキの準備をしている。
あ、それでいいよ。さすがにそんなに大量に食べられない…
「甘いものそこまで食べれない系?」
「そんなことも無いけど、胃袋の都合で…」
「結構食べたもんねー」
程々に抑えようと思ってセーブしてたんだけど、みんなが遠慮なく食えって渡してくるから…
結果としてよく食べることになってしまった。
「もっと食べなよ、細すぎるし」
「これでもマシになったんだけどね」
そうですよ、これでも太った方よ。……このままのペースで太るならちょっとまずいなとは思ってるから適度に運動してるけど。
「海莉ちゃん食べれる?」
「もちろん!別腹だから」
女性ってたまによく分からないことを言うよね……
でもってほんとにスイーツだけはどこに入ってんだ?ってぐらいすんなり胃袋に入っていくよね。
人体の七不思議だと思う。残り6つは知りません。
「ん、でもそんなに甘くない。美味しい」
「確かに思ってたより甘くないな。」
よくあるショートケーキな割にそんなに甘くないんだな、これ。
ショートケーキなんて甘いイメージしか無かったから意外だな。大也くんも少し驚いている。
「そういう風に作ったからね」
「…自作?これ」
いやいや、どっからどう見てもお店のやつだったぞ?
有名店で買ってきててもおかしくないぐらいのクオリティだったけど……
「ふふん。驚いたか!…だいたい海莉ちゃんのおかげだけど」
「私はちょっとサポートしたぐらいだよ。だいたい六花ちゃんのセンス」
凄いなそれ。…味も見た目も完璧だったな。プロですって言って通せるレベルだったぞ。
恐ろしい実力だな……
「……そっか、わざわざ作ってくれたのか。ありがとう六花」
「どういたしまして。喜んでくれたなら良かったよ」
これだけ出来のいいものにするために結構練習とかしたんじゃないかな。
その甲斐あってか大也くんは喜んでくれたみたいだけど。六花さんからしたら喜んでくれるのが嬉しいだろうし何よりだな。
みんなで楽しそうにケーキを食べ、少し休憩も兼ねて雑談する。
ちょうど話に一区切りがついたあたりで、ようやくあれに移る。
「さ、待ちに待った…」
「誕生日プレゼントかい?」
「せいかーい。…先に海莉ちゃん達からお願い!」
じゃあ私から、と言って前に出た海莉。……これはキーケースだな。
結構お洒落で私生活に使っていきたいようなものになっている。
ちなみに結構いい所のものらしい。その辺海莉は流石に詳しいよね。
「ちょうど欲しかったやつじゃん、ありがとう!」
そうでしょうとも。何せあなたが欲しいって言ってたものを事前に聞いてますからね。
リサーチした価値はあったのだ。
「じゃあ俺だな。おめでとう」
俺は完全に実用品。ホットアイマスクとアロマディフューザー…人にもよるが夜眠れやすくなるしいいんじゃなかろうか。
アイマスクは目の疲れが取れるしな。…貰ってから俺も長く使っている。
「あーめっちゃ助かるやつだ。ありがとう!」
こういう活動してるとどうしてもね。若いとはいえ大事にした方がいいからな。
とはいえ、俺たちふたりは前座だからな。本命は六花さんだ。
「じゃあ私だね」
ちょっとまってて、と言って布で覆われた物体を持ってくる。
「え……まさか」
「ふふん、そのまさかなのだ!」
そう言って出てきたのは……そう、PCである。あのクソ高いやつ。
正直本当に用意するとは思って無かった。てっきり別のものにするんだろうなーと思ってたんだけど……
「え?……えっ、え??」
本気で困惑してるな、大也くん。まそりゃそうなんだけども。俺もその立場だとそう思うわ。
それではまた次のお話で会いましょ〜




