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第320話〜いざ本番?〜

それではどうぞ

大也くんの誕生日当日。俺は早速大也君を連れ出す為に着替えて準備をしていた。


「わかってると思うけど」


「知らないフリでしょ?わかってる」


本人から聞いてる訳でもないし、こっちから言わなければバレないでしょ。

…とはいえあんまり長くいるわけじゃないから時間の余裕はそんなに無いぞ?


「大丈夫大丈夫。その辺はバッチリ」


「ならいいけど……」


まあとりあえずは普通に楽しんでくるけど。…海莉達も頑張ってな?


「気を付けてね…ナンパとか」


「されないから大丈夫だよ」


「……………………」


されても大也くんがいるし大丈夫、と思い安心させるために言ったのだが…何故か海莉の目が冷たくなっていく。


あ、これ怒ってるやつだ。…そ、そうだ!大也くん待たせてるから!じゃあ行ってくるから!


「はあ…行ってらっしゃい」


「行ってきます」


半ば逃げるようにして家を出て…やはり大也くんは待ってたか。

絶対早めに来るよね、大也くん。


「ごめんごめん、お待たせ」


「時間より早いし大丈夫さ。行こうか」


とりあえず目的地に向かうことにする。……さてさて、なるべく時間を稼げるといいんだがな。



その頃の海莉視点〜



「わ、これケーキ?凄いね!」


「えへへ……実はちょくちょくバレないように作ってて」


とは言ってもバレないように作るのにはどうしても限界があるから本格的に仕上げるのは今からだけどね、と笑いながら言う六花ちゃん。


「ケーキに飾り付けに……色々とやることが多いね。時間もないしさっさと始めちゃおっか!」


「はい!打ち合わせ通りにやって行きましょ!」


この日のために裏で通話してどんな感じに飾り付けるか決めといて正解だったかな、いざ飾り付けで迷わなくて済むし。


分担してテキパキと飾り付けをしていく。……オシャレな感じだね、これ。

大也くんはこういうのが好きなの?


「私の影響かもしれないけど意外とこういうオシャレなの好きなのよね」


なるほどね……確かに服とかセンスありそうだしオシャレなのは特に違和感無いけど。


「よいしょ…」


最後は壁に……貼り付けて、っと。そんなに物を置いてる訳でもないのに雰囲気がガラッと変わったかな?


「こっちも貼り終わり〜。結構直ぐに出来た!」


元々そこまで時間のかかるものをやるつもりでもなかったから1時間以内に終わるとは思ってたけど、まさか30分で終わっちゃうなんて。


置いてある風船とライトアップがいい雰囲気を醸し出してるね。これなら喜んでくれそう!


「喜んでくれるといいなぁ……」


好きな人に喜んでもらいたい、という女の子な顔になっている六花ちゃん。可愛い…後で見せてあげよう。私も優成くんの写真もらってるし……


「ほらほら六花ちゃん、まだあるよ」


「そ、そうだった。ケーキ作らなきゃ!」


ケーキ以外にも作るものがあるけど、飾り付けが早く終わったから時間の余裕はあるし焦らなくても大丈夫だよ。

いざとなれば優成くんに連絡して時間稼いでもらえばいいから。


「そ、それもそっか。」


きっと優成くんは「え?…え??」って言うだろうけど。

あの子頭の回転早いし。


「こっちお願いしてもいい?」


「もちろん。」


分担した方が早いし。キッチン広めってこういう時助かるよね。

……六花ちゃん、かなり集中してるなぁ。私もそろそろ集中してやらなきゃ。


私はあくまでお手伝いで、仕上げとか細かい所は六花ちゃんが全部やるけど…それでも少しでも楽になるようにしてあげなきゃ。


その後1時間ほどで料理の準備は出来(後は最終仕上げするだけ)て、その10分後に優成くん達が帰宅してきた。


「じゃあお出迎えしよっか。」


「……緊張してきた!」


大丈夫だよ、頑張りは報われるから。……ほら、来るよ!


それではまた次のお話で会いましょ〜

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