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第311話〜幸せな日々〜

それではどうぞ

映画が始まった。内容としてはシンプルな恋愛物でよくある感じだが、それだけに内容もしっかりしているから見応えはある。


…それにしても、海莉とよく見る映画って恋愛物が圧倒的に多いよなぁ。

嫌とか嫌いとかは特に無いんだけどね。


まぁデートっぽいっちゃぽいよな〜とか横顔を見ながら考えていると、な〜に?と優しい声で海莉に聞かれてしまった。


うーん、可愛いから見てただけなんだけど……素直に言うのはちょっと恥ずかしい。


「ん〜?どーしたの?」


「……か、可愛くて」


「ふ〜ん?」


ニヤニヤしながら可愛いんだ?どこが〜?と聞いてくる海莉。

ほら、映画見よう!映画、ね?


「私の顔見てたのは優成くんの方だけどな〜…」


「うっ」


それはそうなんだけど……可愛いから仕方ないじゃん


「んふふ〜……これぐらいはいいよね?」


そう言って海莉が俺の肩に頭を預けてくる。別にいいし幸せだけど見づらく無いか?


「そんなに?…私も優成くんをちょくちょく見てるし」


そ、そうなんだ。見て海莉が満足するならいくらでも見てくれていいんだけども。そんなにいいものでもないのが申し訳ない。


もっとイケメンならな〜……


「そんなことないよ。かっこいいよ?」


そ、そうか。ありがとう。


普段褒めるならかっこいいって言って欲しいと発言してるけどいざ褒められるとちょっと…いやかなり照れる。


前に1度寝る前に褒められまくった事があるが、その時は全然眠れなかったんだよな。


やっぱり程々でいいのかもしれない……と思いつつポップコーンを口に運ぶ。

チラッと横を見ると欲しそうな目をしてたので、海莉にも運んであげる。


「おいひい」


「そりゃよかった」


美味しいのはわかったけど一気に食べないの。喉つまらせたらどうするの。


「その時は人工呼吸で…」


「…まぁ、海莉が危ないならいくらでもやるけど。」


やらないに越したことはないんだから気をつけてください。

大丈夫だと思うけど。


「え〜…じゃあ今、してくれるの?」


「……っ、わかった」


海莉からとんでもない爆弾が放り込まれるが、本気でして欲しい目だったので覚悟を決めてする。


優しく、優しく……


「んっ……」


気持ちよさそうにしてる顔を見ると受け入れてくれてるんだな〜としみじみ思うよな。


俺も感触をゆっくりゆっくり味わっていく……が、これ以上やると本気で長くなるやつなので程々で切り上げる。


「……もういいの?」


「そ、そんな声で言われても」


官能的な声出しながらそんな目で見ないで下さい!

まだ昼です……流石に、ね?海莉?


夜ならともかくまだ映画もやってるし、な?まだ良くないと思うんだよねそういうの。


「我慢させるんだ……焦らすんだ?」


「いやあの、言い方……」


「そういうのが趣味なの?」


いや、だから言い方……。そんな趣味は無いんだけど??


「むぅ……我慢するけど、しますけど。」


「ごめんな、夜ちゃんとするから…な?」


そう約束して映画を見るために意識をシフトする。

…別に今しても良かったじゃないかって?それはそうかもしれんけど……


もう少しゆっくりイチャイチャしたいって思ったので……うん、言い訳なんだけど。変なこだわりです。



誰にしてるのか分からない言い訳を繰り広げている間にしれっと膝枕状態になってきた海莉。

それを見ながら、こういう日こそ幸せだよなと強く実感した。

それではまた次のお話で会いましょ〜

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