第307話〜手は抜かない〜
それではどうぞ
(集中……集中……)
相手を倒すためにはまず、相手の動きを正確に予測する必要がある。
むやみに撃っても当たらないからな。……見えてきた。、そこだな?
「ヒット。」
相手がどう動くかさえ分かっていれば弾を当てるのは容易い。海莉の苦手なキャラをしっかりと仕留めておく。
「ナイス!」
そのままウルトが溜まったので撃ち放つが……みんな避けたか。
まぁ、それならそれで相手の動きを制限できたってことだからな。こうやって何も無いところに出てくれれば…っ!
そのままヒーラーも落として人数有利に持ち込む。
これでも耐え切られるかと思ったが、味方が上手く敵に圧をかけ殲滅してくれた。
チームキルだ。このタイミングでのチームキルはデカイな、かなり進んでくれる。
とはいえ相手もウルトが溜まってるだろうし凌ぎきれるかだよな……
だが、相手の攻撃さえ凌ぎ切れれば……もう一度相手を壊滅させられれば、そのまま勝てるだろう。
もうゴールは近いからな。
ただこうなると敵の復帰も早いし気を付けないと行けないんだよな。
そうなると…ほらこうやって裏回ってくる人も出てくるからな。
まぁ見えてるんですけどね、それ。
「ほんと上手いなこの人」(久留戸)
「え?」
相手の動きを把握してれば誰でもできる範囲のことだと思うけどね、これ。
それに今めっちゃ優勢な状況だからな、相手の動きも読みやすい。
押してる時より打開の時の方が難しい分まだ楽なんだよね〜、この試合はこのまま勝てるだろうし…
「把握能力が高いのは素晴らしい」(久留戸)
「視野が広いよね」(ボタン)
めっちゃ褒めてくれるけど、そんなに褒めても何も出ないぞ?
「残念、手を抜いてくれるかと思ったのに」(ミナ)
「次敵だった時が楽しみですね」
『ひいいいい』
手を抜くなんて事はチームメンバーに失礼だからそもそもしないし、ここにいる人たち全員強いから手を抜いてる余裕なんて無いんだよね。
全力でやらないとボコボコにされるだけだからやるしかないんだよな。
「きゃっ、褒められたっ!」(ミナ)
「ふ〜ん……ウルフ、君?」
「もちろんボタンこそが1番でございます」
今一瞬、見えないはずなのに海莉の後ろに修羅が見えた気がしたんだが、さすがに気の所為だよな?
部屋が近いとはいえ同じじゃないのに気温が下がった気がするんだけど、気のせいだよな?
「良かったあ。お話しなきゃ行けないところだったね?」
「その節はお手柔らかに……」
意識をそらすようにプレイに集中しようとするが、乱されてうまく当たらない。
くう……!やりおる…!!
「味方なんだよね…」
「お疲れ様でしたー」
あの後はなんの不調もなく敵の猛攻を押しのけて、無事に勝利することができた。
これで二連勝だ。幸先がいい。
このまま全勝目指して頑張ろうかな〜と1人思ってたその時……
「じゃ、ドラフトしますか。とりあえずはウルフ君とボタンさんに別れて」
とんでもない提案をされてしまった。ど、どうしよう…!?
短くてすまん
それではまた次のお話で会いましょ〜




