第298話〜急に呼ばれた〜
それではどうぞ
「〜ってことだね?」
「え〜っと…」
「どうなの!?」
えー、私は今、海莉の配信に参加しています。……いや、なんで?と思うのも無理はないと思うのでざっくり振り返っていこうと思う。
「右右右!」
「え〜いるじゃ〜ん」
自分の予定を確認したりなんやかんやしてた俺だが、そういや海莉の方はどうなったのか?と思って見てみると……
もろに配信が始まっていた。…開始して20分ぐらいか?しまったな〜見逃した。
後で見返せばいい話なんだけど、なんかリアルタイムで見たいって気持ちもあるんだよな。
ま、もう叶わぬ夢ですけどね……
「で、どうします?」
「私はどっちでも!」
…なんの話だろうか?やっぱ20分も聞いてなかったから話についていけないなや。
何かを決めるんだろうけど……
そうだ、こういう時はコメント欄を開けばだいたい何かがわかる。
…コメント欄を開きましてっと。
・どうせ見てるから来てくれそう
・なんやかんや来そう
……ふむ、誰かを待ってる?感じなのか。それとも今から呼ぶのかな?
そういや今2人なんだな……ぺックスは最大3人だからあと1人呼べるわけか。
誰なんだろうな、この2人と仲良い人か〜誰かいたっけな?
「じゃあ呼びますか〜」
「は〜い。多分聞いてるんですぐ来てくれるとは思います。」
「手なわけでよろしくね?優成くん」(メッセージ)
………と言う感じで呼ばれることになったわけです。
うん、何となく俺を呼んでるのか??とは思ったんだけどやっぱりそうだったね。
呼ばれる分には別にいいしこうしてやるのは楽しいが…本当にきても良かったのかな、とは思うんだよな。
「…聞いてる?ウルフくん」
「え?ああ、ごめん。考え事してた。何?」
「……私の話、聞いてなかったんだ。へ〜…」
まずい。本気で怒ってるやつだこれ。ど、どうしよう…!?
「ご、ごめんな?」
「…いいけど気を付けてよね。」
良かった〜……とりあえず怒りは収まってくれたようだ。
考え事は後にして、今はこっちに集中しないとな……
「で、結局どうなんです?好きなタイプ」
この人は今回のボタンのコラボ相手のACEさんだ。人気もあるし、とにかく性格が良いことで界隈では有名だったはず。
何せコラボしたことがないどころかろくに関わりがない俺ですら知ってるぐらいだからな。
「え〜っと…ボタンってことで」
「え〜それ以外で何か!ボタンとはタイプ違うけどこういうのも好き!みたいな」
「え〜……難しい」
そう言われてもボタン以外の女の子でタイプとかないし…
強いて言うならこないだ見たアニメの銀髪の子は可愛かったけど…
「あ〜あの子か…」
「どのアニメ?」
ACEさんに説明すると、ACEさんもそのアニメを知ってるのか納得し始める。
「はいはいはいあれね。ああいう女の子が好み?」
「可愛いなと思っただけで好みって訳でも…」
「私も銀髪にする…?」
ボタンが銀髪かぁ…多分似合うだろうけどやめて欲しいかな。
ボタンはそのままのボタンで良い。髪痛むし…
もちろんやりたいなら止めはしないけど。俺のためにってだけならやめて欲しいと思うだけで。
「も〜好き。」
「…やっぱりこれ俺いる?今日」
「要ります。むしろお邪魔してるの私なので…」
邪魔してるのは俺だからどうか居てください。ほんとに。
「良かった良かった。必要とされてた」
「もちろんです」
「ごめんねほんとに急に呼んで。もう1人も呼んでたんだけど直前で大事な用事が入っちゃって…」
ああ、そういうことだったのか。元々3人でやる予定だったが1人がギリギリでダメになった。
だからとりあえず配信は2人で始めて、もう1人呼びましょうって話になったのね。
「てっきり3人でやるもんだと思ってたから呼ばれた時びっくりした」
「ご、ごめんね?迷惑だった?」
「いや?全然。暇してたから」
そんなに申し訳そうにしなくてよろしい。ちゃんと楽しいから。
…っと。さて、そろそろ俺の方も配信しますかね。せっかく呼ばれたんだし……
入り切らなかったスイッチを切り替えて…よし。
「こんばんわ〜っ」
それではまた次のお話で会いましょ〜




