第288話〜ネタが無いからネタにする〜
それではどうぞ
「うーん…」
「何も思いつかないね…」
ネタ会議を始めてはや1時間。これといって面白いゲームやネタを思いついたわけでもなく。真剣に考えてたんだがダメだった。
「もういっその事ネタ会議で配信するしか…」
「ネタがありません!って?…ありっちゃあり、なのかな?」
やるにしてもメン限配信になりそうだが、何も思いつかなかった場合にありかもしれない。
ネタがないならそれをネタにすればいいじゃない……いや、流石に無理がある。うん。
「あとはもうシャッフルぐらいしか思いつかないけどしたくないんだよ〜…」
「シャッフル?」
したくないって何だろうか…?
「お互いの恋人シャッフルって言うの?私が大也くんと2人で配信して優成くんが六花ちゃんと2人でって感じ」
ふむ…なるほど。確かに配信のネタとしては盛り上がりそうなやつだな。
普段と違う絡みが見られるだろうし。…大也くんが相手とはいえちょっと不安になってしまうのが問題点だが。
海莉が他の男と仲良くしてるところなんてなるべくなら見たくないんだよな。
コラボとかでどうしても、って言う場合は仕方ないしそこまで縛りたくないから黙ってるけど。
「そういうのは口にして?」
「次から言う」
嬉しそうにちゃんと言って欲しいと言う海莉。…迷惑じゃなさそうで一安心。
まぁでも海莉もしたくないって言ってるしこれは無しかな。
「…ほんとにどうしよっか。なにも思いつかないね」
「とりあえずネタ会議配信して考える?」
「そうだね。面白そうなゲームとか募集してみるのもいいかもしれないし……メン限配信のネタにはなるし」
こんなにネタに困ることもそうそうないんだろうなと思いつつ、2人部屋に向かう。
「こうして2人で配信するのにも慣れてきたね」
「もうだいぶやってるもんな…」
あれから結構な頻度で2人で配信してるからな。日によっては1日の大半をここで過ごす日もある。
…そんな感じでかなり使うのと、仮眠用にはいいかもってことで今は簡易的な寝室スペースまで用意されてたりする。
寝ることはそんなに無いんだけどな。基本そういう時は自分の部屋で寝るし…
「寝室で寝て欲しいんだけどね。…見れないし」
「別に部屋に入ってくればいいのに…」
海莉なんだから怒らないぞ?見られて困るようなものは何も無いしな。
まぁ強いて言うなら仕事関係のメールだが…別に海莉は情報漏洩とかしないだろうし特に気にしていない。
「でも優成くんは私の部屋に来ないじゃん」
「あんまり行くのも良くないかなって…」
「それと同じだよ。」
女の子の部屋なんだし、個人の部屋だからプライベートもあるだろうし良くないかなって思ってな。
「しっかりしてるとこは好き」
まるで嫌いな部分があるみたいな言い方ですね。…そんな目で見ないでください、わかってます。忘れてないです。
最近はちゃんと自分で自分のこと大事にしてます!
「その調子で続けてね。出来れば永遠に」
次やったらどうなるか俺には分からないのでやりません。怒る海莉本気で怖いんだもん。
…あと怒らせたくない。俺のために本気で怒り本気で悲しんでくれる分そんなことはさせたくない。
「…そろそろ始めようか?」
「もうちょっと待って。……」
慌てなくても時間はあるからゆっくりね……って、何してんの?
「何って……膝枕?」
「それはわかるけど……危ないだろ」
「いいじゃんちょっとだけ。ね?」
ダメとは言ってないし別にいいんだけど危ないでしょって話を…海莉さん?あのあの、何してるの?
「……えへへ」
「笑えば誤魔化せると思って……」
誤魔化されてあげるけど、今は我慢しなさい。わかった?
「は〜い…」
「……じゃあ、満足したら教えて。始めるから」
その間に俺は気持ちを落ち着かせないとね。……はー、深呼吸深呼吸。
「大変だねえ」
「誰のせいだ誰の」
それではまた次のお話で会いましょ〜




