第282話〜声優に?〜
それではどうぞ
「六花ちゃんやっぱり料理上手なんだね」
「きゃっ。嬉しいっ」
きゃっきゃしながらご飯を食べている海莉と六花さん。
それを眺めながらご飯を食べる俺とダイヤくん。…確かに六花さんのご飯美味しいな。ダイヤくんが胃袋を掴まれる理由はわかる。
ちなみにメニューはいなり寿司の上に具材をトッピングしていかにも春らしい雰囲気にしたやつとか旬の野菜を使った料理とか色々ある。
「六花が居なきゃ生きていけないから」
「家事できないもんね」
「ほんとのことなんだけど言われるときついな…」
案外出来そうなものなのにね。人は見かけによりません。
「それ褒める時に使う言葉じゃ…」
褒めてる褒めてる、気のせい気のせい。
「雑だなぁ…」
「おかわりまだあるけど、どうする?」
「頂くよ。」
「2人も遠慮しないでね、いっぱいあるから。むしろ作りすぎたから」
じゃあお言葉に甘えて頂こうかな。せっかくだからいっぱい食べたいしね。
「私もー。…ほんとに美味しいしオシャレだよね、
写真撮っといて良かった。」
「見栄えがいいよね。あんなに綺麗に盛り付けれるのはすごい」
味だけならまだしも見栄えは俺は上手く出来ないしな。海莉もだがこうして上手く盛り付けられるのは尊敬できる。
「でも隣に引っ越してきて正解だったかも。こうやって集まってご飯食べられるし」
「配信環境も整えやすかったし、治安もいいしな。」
確かにこの近辺で物騒なことって起こらないよな。
不審者が出たって話も聞かないし治安はかなりいい。
だからこそ安心して住めるんだけどな。この家を紹介した海莉も治安がいいから紹介したんだろうし。
「スーパー近いし。…ほんとに便利」
「安いしね」
確かに節約は大事だよな。…お金稼いでるとはいえ無限にある訳でもないし、全部使える訳でもない。
将来のための貯金だってしなきゃならないしな。節約できるに越したことはないのだ。
「確かに優成が無駄遣いしてるのは想像できない」
「物買わないからね優成くん。家に必要なものとかは積極的に買ってくれるんだけど」
そうでも無いけどな、最近ちょっと欲しいもの買ったし…
「あら珍しい。何買ったの?」
「本。」
「あー、確かに買ってた。」
前から読んでるシリーズものの最新刊が出たから購入したんだよね。
あればかりは続きが気になってたので買ってしまった。…一切私物を買わないって訳でもないんだよ。
「アニメとかは見ないの?」
「うーん、見るは見るけど」
そこまでアニメにこだわりはない。海莉が見てるから一緒に見てる位で。
「あら残念。興味があるなら誘ってみようかなと思ってたんだけど」
「何に?」
「これ。」
そう言って手渡されたのは……なんだこれ?
「簡単に言うと声優になりませんか?って紙。オファーだね。」
「……Vに?」
「Vに。」
企業案件みたいなものかね。……にしても声優の依頼まで来るのか、VTuber。恐るべし……
「と言っても1話限りのモブだけどね?」
「モブにしては枠があってね、他にもあと2人見つけてくれ〜って言われたみたいで…」
なんじゃいそりゃ。普通そういうのは企業側が人を決めるんじゃないのか?
…それとも、俺たちをまとめて採用してやろうと考えたのか。
「お金はちゃんと払われるからその辺の心配は無いんだけどね。」
「うーん、ありがたいけど燃えないかなぁ…」
海莉がそう口にする。…確かにVTuberか実況者か、忘れたがその辺の人が声優か何かをやって炎上してた気がする。
歌を歌ったんだっけ??……まあそれは重要じゃないから置いといて。
流石に重要キャラじゃないなら荒れないとは思うがな。
モブってことはストーリーにそこまで関係の無い立ち位置だろうし。
「どうする?優成くん」
「面白そうだし引き受けてもいいんじゃない?」
何事も経験。普通にやってれば出来なそうな事だしこういうこともありなんじゃなかろうか。
「流石っ。詳しく説明するね!とってくるからまってて」
そう言って六花さんが何やら動き始める。…さて、詳しく聞かせてもらおうか
それではまた次のお話で会いましょ〜




