第277話〜トランプ〜
それではどうぞ
「むー!また負けた!」
「いえーい」
「ウルフくんつっよ」
俺たちが今しているのはカードゲーム……トランプである。
何故かこのVRゲームにはトランプで遊べる機能が備わっているためお花見してこれで遊ぼう!ということになっていた。
…ほんとになんでもあるね、このゲーム。ちなみに今していたのは大富豪だ。
4回連続大富豪(1位)である。やったね☆
「自分だけ全部jokerとかできないの?」
「ダメでしょ笑」
数多くルールが存在するとはいえそれは流石にないだろう。
絶対に勝てる大富豪、楽しいか??
「別のやろうよ、いっぱいあるし」
「何やるの?」
「ババ抜き?」
ババ抜きか〜。まぁトランプだと定番だよなババ抜き。というかそんなもんまであるのね。
対面でやらなくても楽しめるのかどうかってところだけど…
「やってみようやってみよう」
手札が配られる。…俺の初手にはババは無い。同じ札があったら捨てていいんだよな、これ。
つまりババを引かずに揃える必要がある訳だが……
「俺からか。…どーしようかな」
引く相手は六花さんか。どれを引こうか…まぁ引いたとしても擦り付ける方法を考えればいいし、気楽に行きましょうかね。
「よいしょっと」
早速揃ったな、ラッキー。このペースで揃ってくれるととても助かるので次回もお願いしたい。
「次私の番〜。」
そう言って六花さんがダイヤくんから引いていく。どうやらババでも無かったようで手札が捨てられた。
「じゃあ引きます。」
そう言ってダイヤくんも引いた……が、絵札が揃わなかったようで捨てられなかった。
「お〜なるほどね?」
「よしよし、じゃあ私も引こうかな」
ふむ、ババを引いたか?だとしたら六花さんがもしババを引いてしまった場合俺が引いてしまう可能性が出てくる。
一応警戒しておこう。六花さんが既に持ってる可能性もあるしな。
「せいっ。……揃った!」
順調に揃うなぁみんな。じゃあ俺も引きまして……
その後も順調にカードを引いていくみんな。ちょっと前に六花さんが「うええ!?」とよく分からない声を出したぐらいで何事もなかった。
…まぁつまりババを持ってるのは六花さんって事なんだけど今のところ引いてはいない。
が、それもここまで。今俺の手札は1枚で、都合よく絵柄のカードを引ければ先に抜けて勝ち。
ただし六花さんの手札にはババがあるためそれを引いてしまうと負けも有り得る状況だ。
さーてどれにしようか……
「おすすめは1番右です。」
「そっかー」
そう言いながら左のものを選んで取る。…お、当たりだ。
ババじゃ無かったし揃ったから俺はこれで抜けられる。1抜けだ〜!
「ラッキー。上がらせてもらいます〜」
「なんでそんな強いの?」
「おすすめ取ってくれなかった」
そりゃ取らんでしょ。…ブラフの可能性もあるにはあったが六花さんは意外と素直だからな。
ああいうとこで嘘はつかないって判断だ。結果正解だったわけだけど。
「むう……いや、きっとボタンちゃんなら引いてくれる!」
「やだやだ引きたくない。ウルフくん場所教えて」
「それずるじゃね?」
もう上がったプレイヤーは誰がどんな手札なのかを眺めることができるのだが、確かに言おうと思えば言えるんだよなババの位置。
言わないけどな。いくらボタンが相手でも流石にそんなことはしないさ。正々堂々やって欲しいしな
「おっラッキー」
考え事をしてたらいつの間にかダイヤ君が上がってた。女同士の一騎打ちだな。
さて果たしてどちらが勝つのやら…
順調に手札を減らしていく2人。そして遂に……
「さあどっちだ!」
ボタンの手札が1枚、六花さんが2枚。引けるか?
「……こっち!」
「ほんとにそっちでいい…ああああああああぁぁぁ」
「やったー!」
容赦なく引いたなぁ、駆け引きとか無かったぞ?でもこれで決着かな??
それではまた次のお話で会いましょ〜




