第237話〜膝枕しながら配信〜
それではどうぞ
「ねぇ、このままやっちゃダメ?」
「ダメ。」
流石にこの膝枕した状態で配信はダメに決まってるだろ。
ボタンの家にウルフいる!?ってなっちゃうだろ。
「でも付き合ってるんだしそれぐらい普通じゃない?」
「そりゃそうだが……」
未だに夢を見てるファンが荒らしに来るかもしれないんだから余計なリスクは避けるべきでしょ。
「じゃあ優成くんが声出さなきゃいいじゃん」
「…それはそうだが」
確かに声を出さなきゃバレないけど……ふとした拍子にバレる可能性はあるぞ?
というか、そこまでしてやりたいのか?
「今膝の上に彼氏がいます…って、言ってみたい」
…いつからそんなにおねだり上手になったんだ海莉は。
あーもう、わかった、わかったよ。
好きにしていいから!
「やった〜っ!好き!大好き!」
はあ……俺は声出さないから。あくまで膝の上にいるだけだからね。
というか、本当にちゃんとリスク分かってるんだろうね?わかった上でも言ってるんならいいけど…
「失礼な。ちゃんとかんがえてますー」
海莉のことだからちゃんと考えてるとは思ってたけど……
まぁ、やって見なきゃわかんないだし1回やってみようか。
「こんにちは〜みんな!」
海莉の方の配信が開始する。…ちなみに海莉の方もメン限だ。
つまりファンしか来ないので海莉が大丈夫と言ってたのがわかる気がする。
・こんにちは
・やっほー
「やっほ〜。メン限配信は久しぶりだね。」
そういや確かに海莉のメン限久しぶりだな。動画とか投稿されていたのでメン限の特典自体は更新してたけど…
「でね〜みんな聞いて聞いて、今ね…膝にウルフくんいるの」
・んん?
・どゆこと?
そりゃどういうことだろうってなるわ。まさか膝枕しながら配信してるなんて思わないもんね普通。
「膝枕しながら配信してる。ね?」
「うん」
声を求められたので一応出しておく。いますよ〜のアピールだ。
ただし邪魔をするつもりはないので安心して欲しい。
ただ海莉の膝の上でゆっくりするだけだから。
・ええええww
・すご!!
・家にいるんだ
「家いるー!近いんだよね〜私達。会おうと思えばすぐ会える!」
なるほど。流石に同棲してますは言えないと判断して上手く隠したな。
今までも家近いってことは言ってきたから信じてもらえるしな。
・なんでいる?
「ウルフくんが甘えたくなったみたいだから甘えさせてあげてたの。で配信時間きたからそのままGO〜」
まぁ間違ってはない。甘えたくなったのは事実だしな……甘えた結果こうなってると言えるわけだし。
・甘えん坊の狼?
「ちゃんと甘えてくれるから可愛いよ。好きな人だし嬉しい」
苦ではないなら良かった。苦痛に感じてたりしたらすぐにでもやめなきゃだしね。
そんなことを少しだけ考えてしまい、海莉に目で怒られる。
ごめん、怒らせるつもりは無かった。…許して欲しい。
あ、優しい目になった。許してくれるらしい。よかった…
「ね、それでね…ウルフくんがね」
そうして始まる俺の恥ずかしい話の暴露会。……えっとまさか、許してない…?
「失礼なこと考えたウルフくんへのお仕置です。」
「ごめんて…悪かったよ」
・地獄だろうなぁ……
・逃げられないようにされて聞かされるのきつそう
・ご馳走様です
「お粗末さまですっ。…膝枕から逃げられないようにしてあげるから」
勘弁して……もうやめてくれ、恥ずかしい話は。他の人からしたら微笑ましいぐらいのエピソードだろうが俺からしたらめっちゃ恥ずかしいんだが。
「だ〜め。今日はウルフくんについていっぱいはなすの。ウルフくんが私のこといっぱい喋ってくれたから」
えっと…確かに話しました。いっぱい話しましたけど……
「大丈夫大丈夫、もう恥ずかしいのないから」
「…ほんと?」
「ほんとほんと。ゆっくり寝てていいよ〜」
普段なら寝てしまうだろうなってぐらい本気で寝かしつけてくる。
……いや、寝ないよ?さすがに俺の寝息が配信に入るのはやばいだろ。
・むしろ待ってる
「ほら、むしろ待ってるって言われてるじゃん」
「えぇ……」
「大人しく寝なさい。」
次は寝ろと来たか…だから流石に寝ないって。ほんとに。寝かしつけてこないで!
「じゃあお次の話。この前?結構前?に私体調悪かったんだけど……」
…今度はまともそうな話で助かった。これなら安心して聞いてられる。
にしても、こう見るとほんとに楽しそうに配信してるな。
だからこそ好きなんだけどさ。
あ、声漏れてたっぽい。海莉の顔ちょっと赤くなった。かわいいな〜
…ごめん、ごめん悪かった。悪かったからまた恥ずかしい話するのやめてー!
それではまた次のお話で会いましょう〜




