第23話〜コラボ相手は〜
それではどうぞ〜!
本日は水曜日、つまりボタンが誰かとコラボする日だ。
俺は今でもボタンファンなのは変わらないからこういうイベントは楽しみだ。
とはいえ、邪魔する訳には行かないから大人しくしていないとな。
そういや何時からなんだろうな〜とぼんやり考えてぼ〜っとしていると、いつの間にか海莉が後ろに立っていた。…こわ!?
「優成くん、ほんとに気付かないよね。」
「足音消さないでくれない?海莉」
「消したつもりは無いんだけどなぁ…どうしたの?ぼ〜っとして」
「いや、コラボ何時からなんだろうな〜って。楽しみだな〜と思って…」
「あ、そういや告知してなかったかも!ありがとう優成くん!!」
時間は19時からだよ!と言って告知の準備を始める海莉を見ながら、海莉でもああやって忘れることあるんだなぁと思った俺だった。
「失礼な。私だって人間だもん…」
「ごめんって。…海莉はしっかりしてるイメージだったからそういうのって忘れないと思ってた」
「そりゃ、優成くんの前で変なこと出来ないし。」
「無理に気を張らなくてもいいからな…?」
「無理はしてないから大丈夫だよ。…あ、そうだ。今日のお相手さんと話すの、コラボ終わってからでもいい?」
「うん。それで問題ないよ。」
「おっけ〜!任せて!じゃあ、その時になったら呼ぶから!」
「呼ぶ…?ま、まあわかった。」
そう答えると、満足したのか海莉が準備を再開する。
「コラボ頑張ってな」
そう声をかけてから自分の部屋に戻ることにする。時間まであと少しだし、邪魔しないように静かに楽しまないとな。
「こんばんわ〜!」
始まった。うん、なんかこういう形でLIVEを見るのは久しぶりな気がするな。久しぶりって言うほど時間は経過してないんだけどさ。
「今日のコラボ相手は…なんと!」
「こんばんわ。わたくし、氷華かりんですわ。」
「かりんちゃんです!!久しぶりだね〜かりんちゃん」
「ええ、お久しぶりですね。」
なるほど、かりんか。氷華かりん、お嬢様系のVTuberで声が良く、男性から猛烈な支持があるVだ。ボタンとも仲が良く、確かによくコラボしている。
んーでもなんでだろう、どこかでこの声を聞いた気が…?こうやってLIVE越しじゃなくてリアルで……
ま、考えてもわかんないか!それより今を楽しみましょう。
「ボタン、貴方最近男がいるらしいですわね?」
「え?男?」
「ええ。ウルフと言ったかしら。狼は男にするよりペットにするものですわよ?」
あははははは、トップVは面白いな。…笑いをこらえるので大変だ。
「ウルフくんとはそんな関係じゃないもん!!そもそも彼、狼らしくないし…」
「あら、随分と仲がいい様子ですわね。ねえ、みんな?」
【コメント欄】
・何かあるとは思ってたんだ…
・くそ、ウルフのやつめ!
・ペット…ウルフが…ww
自分がネタにされるのってこんな感じなんだな。全く悪い気はしないし、むしろ面白くしてくれている分ありがたい。
コメントしたらどうなるかな…なんて考えている俺はもう最初に気になった違和感であるどこかで聞いた声というのをすっかり忘れていたのだった。
名前、全部の小説で被ってないことを確認している訳では無いのでもしかしたら被っているかもしれません。ないとは思いますけど…
もしそうならすみませんと思いつつ、私は寝ます。
それではまた次のお話であいましょ〜




