第228話〜メンヘラゲーム?〜
それではどうぞ(遅れてごめん)
「〜って事がありまして」
「あらまぁ…」
現在、大也くんとお話中。…と言ってもメッセージでだが。
やっぱり俺と海莉のようにデートしたらしい。まぁするよね…バレンタインだもん。
「ただお返しが困ってるんだよね」
「あ〜…なるほど」
分かるけどな。何送ればいいんだ?って。何送っても喜ぶだろうから尚更…
ホワイトデーまでに決めてお返し送らないといけないからな…まぁある程度は決めてある分大也くんよりマシだとは思うが。
「いいな〜」
「ある程度だからそこまでよ」
「それでも決まってるのは羨ましい〜…」
あらあら…本気で悩んでる。六花さんは別になんでも喜びそうな気はするけどね?
「優成くん」
「おっと…」
海莉が呼んでるからごめんな大也くん。…よっと。
「何?」
「ん〜……」
あれ…何?じ〜…っとこっちを見つめてきて。無の表情…?
「えっと…何?」
「………………」
何も言ってくれないと困るんだけどそろそろ何か言ってくれない?
それとも俺が気付くのを待ってるのか?
「……困った?」
「困った。」
もしかして困らせようとしてただけなの?それとも俺に理解して欲しくて黙ってたの?
「ん〜…ほら、用事はないけど名前呼びたくなる時とか無い?」
「ああそういう…それならそうと言ってくれればいいのに」
そういう時もあるよな、呼んだだけ〜って。なんだそういうことか。
ついでに甘やかしてあげようか?
「今はいい。…抜けられなくなる」
「そう?なにかしてるの?」
「ちょっとね。」
そうか。なんかあったら言いなさい、できる範囲でやってあげるから…
「いつも通りのことをしてるだけだから大丈夫だよ。」
大変だねぇ…メンバーシップ用の動画。俺にはそこまで出来んよ〜…
「優成くんもそろそろ開通させるんでしょ?」
「それはそうだけど…何しようかなって悩んでる最中」
ずっと悩んでる気がするがな。やることないんだもんだって……
精々メンバーシップ用の配信をやるぐらいかね。
「あとは歌みたとかの配信はアーカイブメン限だけにするとか」
ふむ……それはいいな、そうしてみようか。入ってもらった時の得を感じてもらわないといけないわけだし。
「はあ…」
「疲れてるね…大丈夫?」
「だいじょぶ。わたしがんばってくる」
そう言ってトコトコお部屋に戻っていく海莉。…あれは大丈夫じゃないな?
ここまで疲弊してるのは珍しいが……なんにせよこのままいかせるわけにもいかん。
「海莉、ちょっと」
「ん〜?んっ………」
少し強引だが無理矢理口付けして意識を持ってくる。
「…いつの間に強引にするなんて事ができるようになったの?」
「たった今。…ちょっとこっち来て、そんな様子でいかせられん。」
「でも早くしないと…」
「あとで俺も手伝うから」
少し無理矢理だが海莉を膝の上に寝かせてどこかに行かないようにする。
「……私このまま寝ちゃうよ?間に合わなくてリスナーに怒られるかも」
「そうしたら俺のせいにしていいから。俺が謝るし責任取るから」
一切の反論は許すつもりはない。傲慢かもしれないが海莉にはここで寝てもらう。
俺にとっては海莉の方が大事なのだ。
「…強引だね」
「好きに嫌ってくれていいよ。海莉が壊れるよりはいいからね」
「……ばか。私が君を嫌いになるわけ無いでしょ。」
そうでしょうね。……はい、そんなことより少し休む!
というか何を作ったらそんなにメンタルがすり減るんだ…?
「色々作ってたら色々考えちゃって…」
「考えすぎるのも良くないからな」
俺が色々考えすぎるのは何故か周知されているが(多分海莉がどこかで言った)海莉もそうなんだよな。
「……ね、ちょっとだけわがままいい?」
不意に海莉がそう言った。別にいいがなんだろう?できないことはやめて欲しいが…
「ん?いいけど…」
「あれみたい。配信者育てるゲーム」
そんなのあったっけ?と思ったがあれか…メンヘラ配信者育成型ゲームか。
元々配信のネタとして考えてたやつだし別にそれぐらいならいいけど…
「他に何かなかったのか?」
「他のは…心の準備がいるから」
心の準備て…そんなことお願いされても困る。どうせなら誘惑してくれ誘惑。
「いいの?」
「お好きにどうぞ。」
それで負けたら海莉が上手だったってことだからね。期待しておくよ。
「がんばる…」
…俺も頑張らないとな。いつまでもチキンでいる訳にもいかない。受け入れる準備もしないとだし…………我慢に悪いのは男女共通だろうし。
理性に負ける自分の姿を想像して少し怖くなったので逃げるようにメンヘラゲームを購入する。
これで今日の配信ネタは確保出来たな…っと。
それではまた次のお話で会いましょう〜




